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証券営業の凄腕たち【Episode6】行って、聞いて、食べてみて銘柄発掘

記事公開日 2019/7/29 09:49 最終更新日 2019/10/7 11:09 経済・ビジネス コラム・インタビュー リテール 営業凄腕列伝

Episode1……林啓輔氏 岡三証券

  • はやし・けいすけ
  • 2008年愛媛大卒、岡三証券入社、松山支店配属。14年10月千葉支店、16年6月従業員組合出向、18年10月大手町支店。入社以来、個人営業を担当し、現職は大手町支店の投資相談一課長。マネジメント業務も兼務。社長賞2回、優秀賞8回受賞。33歳。愛媛県出身

日経QUICKニュース(NQN)=神宮佳江

証券会社の凄(すご)腕営業担当者が帰ってきたーー。情報収集・活用術や商品提案の極意を聞くシリーズ、今回は独立系を保ちながら4年後に創業100周年を迎える岡三証券の大手町支店で、株担当の課長を務める林啓輔さん。対面型の株式リテール営業に定評のある岡三だが、林さんは常に株へのアンテナを張り、街の変化や身近な体験を基に成長企業を探し出しているという。

――株の魅力や銘柄発掘のヒントは何ですか。

「入社後配属となった松山支店で当時の支店長に、株の魅力について一から手ほどきを受けました。株は上がればもうかり、下がれば損をする分かりやすい商品ですが、株主となることで会社とともに夢やロマンを見ることができる奥の深さがあります。以前、ある医療機器を製造するベンチャー企業の社長の思いに感銘を受け、その会社の製品が普及すれば社会貢献に役立つという気持ちに共感して頂いたお客様に株を購入してもらいました。結果、株価は下がってしまったのですが、クレームは1件もありませんでした。利益を得るだけでなく、社会貢献などへの思いが強いお客様も多く、それも株の魅力です」

「近くで新興上場企業の出店などがあれば実際に行くことも多かったです。製品価格が同業より割安でにぎわっていた企業に興味が湧いたので、従業員の方に製造方法や業務フローを聞きました。株価上昇の確信が持てたのでお客様にも勧め、実際に利益が出ました。飲食店であれば食べてみて、味や雰囲気、店員の対応を確認します。スマホゲームはダウンロードして試してみますし、子供と見に行った映画が面白ければ(映画のキャラクターを扱う)玩具会社の株価動向を確認します。新規出店などの街の変化や日々の実体験から成長企業を探ることには自信があります」

株価急落時は訪問強化で対面フォロー

――顧客対応で重視していることはありますか。

「地元の松山支店で6年半過ごしたことが財産になっています。投資経験に乏しい人が多く、投資信託など丁寧な説明を心掛けました。おおらかな土地柄もあって、お客様と親しい関係が築けました。現在の大手町支店は他社との競合も激しいですが、松山の6年半でお客様に親身になって対応するという土台ができているので、案外受け入れてもらいやすいです」

「またお客様との距離感は非常に重視しています。過度な営業は控える必要がありますが、多くの方から『他社よりよく連絡をくれる』とのお言葉を頂きますし、自負もあります。昨秋の株価急落時は、不安に駆られるお客様も多く、こういう時こそ原点に戻って対面でのフォローに回ろうと、チームで訪問を強化しました。世界経済の動向など今後の見通しを丁寧に説明し、提案することで逆に販売を増やすことができました」

「証券会社の商品は製品のような形がありません。無色透明で無形のものを、どれくらいカラフルですてきな形の商品として紹介し、お客様自身に『わくわく感』を持ってもらえるかということを重視しています。そのためにはしっかりと情報収集し、自分自身が本気でいいと思える商品を発掘できるかが最も重要です」

独立系の強み、自由に良い商品を選択

――リテール部門の営業力に定評のある岡三証券ですが、その強みはどんな点でしょうか。

「最新の投資情報が、個々の営業担当者まで伝わっていると感じます。4月から各支店の株式担当と投資戦略部のストラテジストが毎朝、直接内線電話で話すようになりました。私も担当しているのですが、個別株や業績の動向などをその場ですぐに質問できるので、相場観や銘柄への理解度が格段に深まりました。重要な情報はすぐに支店全体に口頭やメールで伝えます。また、支店のディスプレーでストラテジストが毎朝生放送で、その日の相場環境や『5G』など旬のテーマ、個別銘柄のポイント解説をしてくれるようになりました。配信されるリポートも情報の羅列ではなく、営業担当が実際にお客様に説明する状況を想定して作成されており、非常に使い勝手が良いです」

「岡三は独立系なので、自社や他社に関係なく自由に良い商品を選択できるのも強みです。外債では今、ロシアルーブル債などを扱っていますが、ただ金利が高いから買いませんかと言ってもお客様には響きません。商品戦略に通貨の相場観、ロシア経済の見通しまで語れないと販売は難しいです。株でも投信でも外債でも、営業担当者がしっかりと情報を自分で理解し説明できないと、納得して購入してもらえません。相場環境が不透明な時は、お客様と対話の機会を持つことがとても重要になります。昨年度は全国の支店で約5000回と、前年度に比べセミナーの回数を約3倍に増やしました」

――岡三証券の社風の特徴は何でしょうか。

「証券営業は入社直後から1人で戦うことができる職種です。設定した目標に向け主体的に動き、それを達成できる、能力と向上心が高い人が多いと感じます。また会社に対しては、いい結果が出たときはもちろん、結果が出なくとも頑張ったプロセスまで評価してくれているという信頼感を若手の時から持っていました。表現が適切かは分かりませんが、昔ながらの日本の家族的経営のような温かさがまだ残っていて、社員の帰属意識が高い会社だと思います。キャリアアップする過程で、学閥のようなものがないことも実感しています」

駆け出しの松山支店時代、株の魅力に目覚め、入社6、7年目に連続で社長賞を獲得した。今も当時の支店長を「師匠」と仰ぎ、年に1回は杯を傾ける。管理職となった今は積極的に部下の営業に同行する。週に1回程度は飲み会を開き、家族の話から証券業界の将来まで腹を割って話すのが楽しみという。林さんの営業哲学や人とのコミュニケーションには「家族的」な岡三の社風があふれている。(随時掲載)

※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。


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