英ロンドンを拠点に個人向けの金オンライン取引を手掛けるブリオンボールトのエイドリアン・アッシュリサーチ主任は28日、同社内の金投資動向として「英国の投資家からの金の資金流入が滞っている」とのコメントを寄せた。
エイドリアン氏は「3月の英国の新規顧客数は過去12カ月平均を11%下回る一方、ドイツは62.6%増、イタリアが34.5%増となりユーロ圏全体で18.6%増と大きく伸びた」と説明した。金への投資金額ベースでみると「英ポンドで11.7%減となる一方ユーロは6.2%増」と顧客動向に連動する。投資家動向の顕著な例としては大規模な資金流入頻度を挙げ、「10万ポンド以上の入金が過去3年平均から46.3%下回る一方、10万ユーロ以上の資金流入頻度が63.4%増となっている」という。
英国の欧州連合(EU)離脱に伴う先行き不透明感は根強い。とはいえ、金投資動向からは震源地の投資家が先行きを懸念する向きが乏しい一方で、景気減速懸念から欧州圏の個人投資家が先行き警戒感を強めている様子が浮かび上がる。(中山桂一)
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