過度な警戒は禁物か、逆イールドの本当の読み方

3カ月物の米財務省短期証券(TB)と10年物金利の逆イールドが発生し(グラフ左上)、市場では景気後退懸念が広がっている。しかし、長短金利差と景気後退の関連性で最も注目されている「2年-10年」の金利差は逆に拡大している(グラフ右上)。
 
左下のグラフで細かく見ると、3カ月TBの金利(水色)がほぼ変わらない中、10年金利(黄緑)が低下することで逆イールドが発生した。一方、右下のグラフにあるように、10年金利の低下幅以上に2年金利が低下したことで金利差が拡大した。
 
 
この動きを「長期金利は、将来の短期金利の期待値で決定される」という純粋期待仮説で読み解くと、①3カ月以内の政策金利の変更はない、②2年以内に利下げの可能性がある、③利下げ後は利上げの可能性がある、ということになる。
 
つまり、利下げ局面が続く「景気後退」を織り込んでいる訳ではないということだ。今後も様々な場面で「逆イールド」という言葉が出てくる可能性があるが、過度な警戒は禁物だろう。(池谷信久)
 
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