「若い企業=成長企業」は本当?設立年とスコアの関係で分析

現在日本の証券取引所には3500社以上が上場しています。会社設立100年を超える老舗企業から設立間もない新進気鋭のベンチャー企業まで、さまざまな企業の株式が日々取引されていますが、会社の「設立年」が最も古い会社をご存じでしょうか。ここでいう「設立年」とは、日本経済新聞社が調査したもので、会社が事業を始めた「創業年」とは異なり会社組織として法人登記した年となります。

設立年が最も古い企業は、1872年の国立銀行条例に基づいて日本で4番目に設立された第四銀行です。設立年は1873年、今から140年以上も前になります。『QUICK株サーチ』のツールを用いて第四銀行のスコアの形を確認してみましょう。

「規模」と「割安度」のスコアの高さが目立ちます。第四銀行は新潟県の地銀トップで預金量など県内他行を圧倒しています。銀行業なので事業の特性上自己資本比率が低く、「安全性」のスコアは低くなっています。

設立年をみてみましょう。画面を下にスクロールすると、右下の部分に「設立年」という項目があります。この項目で各企業の設立年を簡単に確認することができます。

以上のようにスコアの形には各企業の特徴が表れます。では、このスコアの形と企業の設立年には関連性があるのでしょうか。

『QUICK株サーチ』の『スコアの形で探す』を使い、ある条件で銘柄を選定。選定された企業の設立年を調べ、集計をとり特徴を探りました。

タイプ1:やっぱり安心大企業

スコアの形を以下のように設定し、銘柄を選定します。

① 「規模」と「安全性」を8以上に設定

② 「成長」と「収益性」を5以上に設定

③ 「割安度」に関しては重視しない

今回は①の「規模」と「安全性」を最重視します。

②の「成長」と「収益性」は平均値の5以上とします。

③の「割安度」に関しては、今回現在の株価水準に関係なくデータを集めるため、重視しないこととします。

以上の条件に該当した企業の設立年を調べ、年代別にまとめました。

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上場企業全体における設立年代別のデータと比較してみます。

規模も安全性もスコアの高い大企業タイプですが、全体の設立年代別の分布と比較してもあまり差はないように感じます。各年代にこのタイプの企業が存在するといえるでしょう。「規模が大きく安全性も高そうな企業には、設立100年を超えるような老舗企業が多い」とのイメージを持たれるかもしれませんが、あまり顕著な差はないようです。

しかし注意深く観察してみると、1940年代、1950年代の比率が少し高いことがわかります。戦後すぐ設立された会社には規模が大きく安全性の高い「安心感のある大企業タイプ」の傾向があるといえそうです。また大企業タイプに2000年前後に設立されたものが多いのは、持株会社体制への移行が考えられます。純粋持株会社は独占禁止法で設立が禁止されていましたが、1997年12月に解禁。2000~2001年ごろにはメガバンクが持株会社制に移行したほか、鉄鋼2位のJFEホールディングスも2002年設立です。

日本の企業の歴史の一端が見えてくるようです。

タイプ2:イケイケこれから企業

スコアの形を以下のように設定し、銘柄を選定します。

① 「成長」と「収益性」を8以上に設定

② 「安全性」を5以上に設定

③ 「規模」を3以下に設定

④ 「割安度」に関しては重視しない

今回は①の「成長」と「収益性」を最重視します。

②の「安全性」は平均値の5以上とします。

③の「規模」はこれからの成長の余地がある企業を選定するため、3以下とします

④の「割安度」に関しては、今回現在の株価水準に関係なくデータを集めるため、重視しないこととします。

6_201_5

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こちらも同様に、上場企業全体における設立年代別のデータと比較してみます。

こちらのデータは、比べてみると一目瞭然です。1990年代以降の比率が圧倒的に高くなっています。「収益性が高く、成長している企業は、ベンチャーのような比較的新しい企業が多い」というイメージがあるかもしれませんが、このようにデータでも確認できました。2000年代設立の企業が全体の4割以上占めているということは、このタイプの大きな特徴といえそうです。

今回は2つのタイプについて検証してきました。 会社の「設立年」は普段あまり気にしないデータだと思いますが、気を付けてみると意外な発見があるかもしれません。

 

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