米大統領選、誰が勝つ?統計学が与える予想

為替市場関係者は民主党クリントン氏勝利を予想

米大統領選は円高要因…市場は「クリントン候補勝利」を予想ではアメリカ大統領選挙に対する為替市場関係者の予測を取り上げ、3月14日に発表された「QUICK月次調査<外為>」(金融機関、運用会社および事業法人の為替担当者75人が回答、調査期間は3月7~10日)の結果をご紹介しました。市場関係者の実に85%が民主党のヒラリー・クリントン氏の勝利を予想していました。

白熱する各党候補者指名争い

7月の党全国大会が近づき、各党の候補者指名争いはますます白熱しています。4月28日午前10時時点で各党候補者の獲得議員数は以下のようになっています。(参考:CNN Politics

党の議員数の過半数を獲得すれば、正式に大統領候補者として指名されることになります。民主党はクリントン氏が残り215人、共和党はトランプ氏が残り246人の議員数を獲得することで指名獲得となります。クリントン氏、トランプ氏が各党指名獲得の最有力候補といえそうです。果たして、このまま市場関係者の予想通りに「クリントン氏とトランプ氏が各党の指名を獲得し、クリントン氏が勝利する」というストーリーとなるのでしょうか?ここで、二人の統計学者による興味深い予測を見てみましょう。

統計学者は二大政党の接戦を予想

統計学者がたびたび大統領選挙の勝敗予測を行っていることをご存じでしょうか?彼らは候補者の主張や政治的な情勢から予測をするのではなく、自らの作った数理的モデルのみに基づいて二大政党のどちらが勝利するかを予想します。彼らの予測は、政治専門家の勘や推測の精度を上回ると言われることもあります。

イェール大学経済学部教授のレイ・フェアー氏は、GDP成長率や物価指数などの経済指標を主に用いて過去の選挙結果と照らし合わせる数理的予測モデルを作り、精度の高い勝敗予測を行っています。簡単に言えば、前回選挙時から今回選挙時までの4年間の経済状況が良いほど現行の政策は国民に満足されていると考えられるため、与党得票率が高くなるというモデルです。すなわちGDP成長率の値が大きく物価指数の値が小さいほど、与党の予想得票率は高くなります。

彼は2014年に発表した論文で、2016年大統領選挙での与党民主党の敗北を予測しています。彼の予測モデルに2016年の最新経済指標データを代入したところ、やはり共和党勝利という予測結果となりました。2014年以降も続く物価指数の上昇が原因と考えられます。(参考:Ray Fair. 2011. Predicting Presidential Elections and Other Things, Second Edition. Stanford Economics and Finance)

ネイト・シルバー氏は、各種の世論調査結果に人種・地域等を考慮した重み付けを行い過去の選挙結果と照らし合わせる数理的予測モデルを作り、勝敗予測を行っています。2008年大統領選挙では合衆国50州のうち49州における勝者を正確に予測し、2012年大統領選挙では合衆国50州とコロンビア特別区における勝者を正確に予測しました。2016年大統領選挙において、ネイト・シルバー氏は以下の通り民主党の勝利を予想しています。(参考:Five Thirty Eight

経済指標から見ると今回の選挙戦は共和党が有利な状況といえそうですが、両氏ともに二大政党の接戦を予想しています。

トランプ氏・クリントン氏のいずれが勝利しても「円高要因」

大国のトップの交代は、経済・マーケットにも大きく影響を与えるイベントです。米大統領選の動向を知るにあたっては、政治専門家の声だけでなく、統計学者の予測やオンラインカジノのオッズなども参考にしたいところです。

為替市場関係者は、トランプ氏・クリントン氏のいずれが勝利しても「円高要因」になると予想しています。トランプ氏勝利の場合「強い円高要因」となり、クリントン氏勝利の場合「やや円高要因」となる見通しです。したがって、為替による影響を受けやすい株と影響が限定的な株とを見極めながら投資をしていくことが重要でしょう。QUICK Money Worldでは、マーケットスコアから為替感応度を簡単に把握できます。円高に押される日本株…為替の影響が限定的な株の見つけ方は?も併せてご覧ください。

 

編集:QUICK Money World

関連記事

  1. 【朝イチ便利帳】15日 日銀さくらリポート、JPモルガンやGSなど米金融決算

  2. 【朝イチ便利帳】11日 高島屋など決算、米消費者態度指数、ノーベル平和賞

  3. 【朝イチ便利帳】10日 機械受注、ファストリや安川電など決算、ノーベル文学賞

  4. 値動き鈍いドル円、縮むFX取引額 ミセスワタナベ「勝率」は4割  

  5. 【朝イチ便利帳】9日 ファミマ、ローソン、イオンなど決算 ノーベル化学賞

  6. 【朝イチ便利帳】8日 家計調査や街角景気、吉野家など決算、ノーベル物理学賞

  7. 【朝イチ便利帳】7日 8月の景気動向指数、ノーベル生理学・医学賞

  8. 【朝イチ便利帳】4日 臨時国会、米雇用統計、米貿易収支、パウエル議長挨拶

人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP