【Art Market Review】画壇の仙人・熊谷守一 独特なモチーフに根強い人気

今回は、猫のモチーフが人気で、2017年12月から2018年3月にかけて東京国立近代美術館で開催された「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」展でも大々的に紹介された熊谷守一(くまがい・もりかず、1880~1977)の作品を紹介する。

近代美術/近代美術PartⅡ(1月26日 東京・銀座のShinwa Auction)
出品数289点、うち落札数253点、落札率=87.54%、落札総額=2億6494万5000円

Shinwa Auctionは、国内外のすべてのジャンルの作品が出品されているが、特に日本画、洋画に力を入れており、良質な作品が多数出品されているのが特徴である。

熊谷は、生涯金儲けや商売などに縁がなく、生き物や植物、何気ない身のまわりの生命あるものを見つめて描き続けた画家で、画壇の仙人とも呼ばれた。作風は、モチーフを極限まで単純化した「熊谷様式」。明確な輪郭線により知られている。

今回のセールに出品された熊谷の油彩作品「ひまわり」は、くっきりと描かれた輪郭線でかたどられ、大胆に単純化された3輪の生き生きとしたひまわりがモチーフ。作家の典型的な特徴が見てとれる良品である。

落札予想価格は1000万~1800万円と設定され、中値に近い1300万円で落札された。最近5年間の熊谷の油彩作品の指標を見てみると、多くの日本洋画の作家の作品が下落傾向にある中で、時価ベースでも上昇トレンドが見られる。また、パフォーマンス指標を参照しても、落札価格が落札予想価格の上限を超えることもあり、日本の美術品市場での熊谷人気の強さがうかがい知れる。

(月1回配信します)

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Shinwa Auctionの次回開催予定は3月23日

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