⤵サンバイオショックの後遺症 「バイオ銘柄2年サイクル」終幕か 

サンバイオ(4592、マザーズ)の臨床試験が不調だったことで活況を呈していたバイオ株相場が暗転した。関連株が2年程度かけて上昇局面を演出するサイクルを踏まえると、サンバイオ株の急落を機に弱気相場入りした可能性もある。

サンバイオの株価は、18年の1年間で2.5倍と急上昇した。一方、時価総額上位10銘柄で構成した「バイオ関連株バスケット」は2018年のパフォーマンスが小幅下落。17年と比べると明らかに失速していた。過去の経験則を踏まえれば「上昇2年サイクル」の曲がり角を意識せざるを得ない。

だが、個別では明るい材料もある。臨床検査試薬大手の栄研化学(4549)が29日に発表した18年4~12月期の連結純利益は、前年同期比27%増の32億円だった。19年3月期通期の予想値である30億円上回る好決算だ。海外で便潜血検査用試薬の売上が伸びたほか、コスト削減も収益を押し上げた。

サンバイオに関しても成長ストーリーを描けなくなったわけではない。

みずほ証券の野村広之進シニアアナリストは、同社の将来を左右する慢性期脳梗塞の臨床試験が主要評価項目を達成できなかったことは、ネガティブサプライズだったという。しかし、「臨床試験の打ち止めによるコスト削減効果に、もう一つの新薬が寄与すれば業績の黒字転換は若干早まる可能性もある」(野村氏)と指摘。もう一つの新薬とは、外傷による脳損傷を治療するものだ。当局への申請など事務的な手続きに加えて、施設が充実した病院の導入に限られることなどを踏まえると、普及速度は緩やかだろうと野村氏は想定している。

そのほか、そーせいグループ(4565)のがん向け新薬の臨床試験が開始されるほか、アンジェス(4563)は足の血管が詰まる病気の治療薬を今年から販売すると言われている。

もちろん、過度な楽観は禁物だ。いちよし証券の宇田川克己課長は、「18年12月にマザーズ市場に上場した新規株式公開銘柄は、きょうから指数に組み込まれる。12月期本決算の銘柄も多いため、好決算を発表した銘柄が買われ、指数の持ち直しに寄与するかもしれない」という。個人投資家の視線はバイオ関連株から好決算銘柄へ徐々にシフトしかねず、バイオ株全体が持ち直すにはよほどの好材料が必要と言える。(根岸てるみ)

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