ソフトバンク(9434)が上場して1カ月が経過し、証券各社が新規にカバレッジを始めた。上場後の株価は公開価格の1500円に届かず苦戦。目標株価も1100円~1800円と分かれた。
強気の見方が多い中で、弱気が目立つのがHSBCだ。23日付リポートで目標株価1100円、投資判断「リデュース(売り)」でカバレッジを開始したもよう。高い配当利回りが個人投資家を引き付ける一方、通信料の引き下げや楽天(4755)の参戦など、業績を下押しするリスクが多すぎると分析したようだ。
野村証券は、増配期待などを含めて投資判断「ニュートラル」、目標株価1500円。みずほ証券は、不透明な環境下でも、値下げの影響縮小と大容量プラン拡大で増益基調が続くとみて、投資判断「買い」、目標株価1800円でカバレッジを開始したもよう。ゴールドマン・サックス証券は、持続的な利益成長や配当の維持・拡大が見込まれ、配当利回りが当面の下支え要因になるとして、投資判断「中立」、目標株価1600円で調査を開始したようだ。
SMBC日興は投資判断「1」、目標株価1740円。12月上旬に発生した通信障害やファーウェイの機器入れ替えの可能性と、そのコスト増などがネガティブ視されて株価は大きく下落したが、実際には業績への影響はほとんどないと指摘しているもよう。足元堅調な業績や株主還元、配当の維持・成長させる方針が確認されることで株価評価が改善すると判断しているようだ。
大和証券が投資判断「2」、目標株価1600円で新規カバレッジしているようだ。通信事業の安定成長とSBG出資先と連携した新規事業による成長、また強固なCFと高い株主還元力を評価し、強気の投資判断を付与しているもよう。目標株価は来期予想配当利回り4.9%が前提のようだ。(上田誠、山口正仁、松下隆介)
(22日に配信した記事を加筆・修正しました)
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