野村証券が昨年末に公表した2019年の日本株を巡る10大サプライズのうち、機関投資家などが実現すれば最も驚きが大きい出来事として挙げたのは「首相交代」だった。4月の統一地方選や夏の参院選を控えるなか、安倍晋三首相による長期政権の揺らぎを市場は警戒しているようだ。
野村が「10大サプライズ予想」をまとめたのは今回が初めて。8日付のリポートでは、予想に関して(1)19年最大のサプライズにふさわしいもの(2)読者が考える19年最大のサプライズ――の2点についてのアンケート結果を公表した。サプライズ予想としてふさわしいとの回答が最も多かったのは「首相交代」で、「消費増税再延期」や「日銀が金融政策正常化を強行」が続いた。
野村の10大サプライズ予想
回答結果について、桑原真樹シニアエコノミストは「現時点では市場がそれだけ安倍政権の長期化を想定している証左だ」と指摘する。仮に、参議院選挙で与党の過半数割れとなれば「アベノミクスのテーマが逆流し、株安・債券安・円高になる可能性がある」とみていた。
4年に1度の統一地方選と3年に1度の参院選が重なる、いのしし年の亥(い)年にあたる19年。自らの選挙が終わった後に地方議員の動きが鈍って参院選で自民党が苦戦しやすい「亥年現象」も知られている。12年前の07年は「消えた年金」問題などで国会が混乱。安倍首相の第1次政権は参院選で惨敗し首相退陣につながった。こうした記憶が残っている投資家も多そうだ。
【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】
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