【Art Market Review】謎多きBanksy、話題性で相場上昇

今回は、11月29日の配信記事で紹介したSBIオークションの翌週に東京・原宿で開催されたSBIオークション「Harajuku Auction: Pop-life/Pop-ism」についてレポートする。

SBIアートオークション Harajuku Auction, No. 30(11月3日 東京・原宿のThe Flat)
出品数156点、うち落札数137点 落札率=88.0% 落札総額=3億6735万6000円

SBIオークションは現代アートの取り扱いが中心だが、今回はグラフィティ・アートからデザイン、ポップ・アートも含めたライフスタイルとしてのアートを特集した。福岡を拠点に、女性のモノクロのイラストを手掛けるKYNE(キネ、1988~)やスケートボードを使った彫刻を手掛けるHaroshi(ハロシ、1978~)など、今まで市場に出てこなかったアーティストの作品が出品され、予想を大幅に超える高値で落札されていた。

今回の作品の中からピックアップしたいのが、今年、オークション会場で絵がシュレッダーで細断されたことが話題になったイギリスの作家、Banksy(バンクシー)だ。ストリートアートをゲリラ的に描くという手法からか、プロフィールを明かさない謎の多い作家である。作風は政治的なメッセージ色が強く、多くの作品が街中の壁面に描かれている。また、有名美術館に勝手に作品を展示するなど大胆な行動も目立ち、「芸術テロリスト」とも呼ばれている。

今回は、そんなBanksyのシルクスクリーン版画6点が出品され、うち5点が落札予想価格の上限を大きく超えての落札となった(以下、出品番号順)

「Weston Super Mare」 2003年(100.0×35.0cm) 落札予想価格=80万~120万円 落札価格=111万5500円

「Toxic Mary」 2004年(69.5×49.5cm) 落札予想価格=70万~120万円 落札価格=161万円

「Grannies」 2006年(48.0×68.0cm) 落札予想価格=60万~90万円 落札価格=212万7500円

「Soup Can」 2005年(50.0×35.0cm) 落札予想価格=80万~120万円 落札価格=264万5000円

「Jack and Jill(Police Kids)」 2005年(45×64.7cm) 落札予想価格=150万~250万円 落札価格=345万円

「Happy Chopper」 2003年(67.3×46.9cm) 落札予想価格=250万~350万円 落札価格=747万5000円

「Grannies」を例にACF美術品パフォーマンス指標を見てみる。この作品はエディション500部制作と150部制作の2種類があるが、今回出品されたのは500部制作のほうである。

この作品の5年間の値動きを見てみると、2014年から16年については、およそ50万円前後の落札価格で横ばいだが、17年から上昇傾向となり、そのトレンドが今年も継続している。落札価格の中央値(ACF美術品時価指数)でみると、この2年間で約2倍に上昇した。

Banksyは17年に「世界一眺めの悪いホテル」をパレスチナ側分断壁の前でオープンして注目された。そうした話題性も、少なからずこの2年間の落札価格、相場動向に影響したとみて良いだろう。

(月1回配信します)

※アート・コンサルティング・ファーム提供 ⇒リポートはこちら

SBIアートオークションの次回開催予定は2019年2月2日

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