日経平均株価は一時1万6000円割れ
4月の日本株は大幅下落で始まりました。市場で期待されていた機関投資家の年度初の買いが、予想していたほどの規模ではなかったことから、手じまい売りがかさんだと言われています。さらに追い打ちのように円高・ドル安が1ドル=110円台まで進んだことから、4月5日時点で、日経平均株価も再び1万6000円を割り込む展開となっています。
今後についても、日銀による金融政策の現状維持などが続けば、円高が進むものと考えられます。円高にともなった企業の業績悪化を懸念する投資家心理が働き、輸出をともなう自動車業や精密機器を中心に株が売られるという流れが続きそうです。
株価下落の一因は為替…為替に左右されない株に注目
このような状況下の中で注目しておきたい株が、為替に左右されにくい株です。今回の円高の影響により、全体的な株価は下がったものの、特に自動車や精密機器などの輸出が絡む企業の株価は売りの姿勢が強く出ました。
このような業種の株価・業績は為替の動向との影響が強いため「為替感応度が高い」と言えます。一方「為替感応度の低い」業種は、もちろん株式相場の全体的な下げに多少は影響される可能性があるものの、下落は限定的と言えそうです。
さらに、すでに株価指数が下落している業種については特に影響は限定的でしょう。3月の時点で株価指数が低く、為替に影響されにくい業種と言えば、電気・ガス業や陸運業です。乗り換えなども検討しながら、注目しておきたいところです。
為替感応度を簡単チェック
QUICK Money Worldでは各銘柄ごとの為替感応度を簡単に把握できます。
たとえば国内で時価総額が最大のトヨタ(7203)の個別画面を見てください。QUICKスコアに「為替」という項目があることが確認できると思います。
このスコアは、為替感応度を表しており、スコア値が高いほど為替に対する感応度が高く、低いほど為替に対する感応度が低いことを意味します。株価の対ドル円レート感応度(36ヶ月)と海外売上高比率を参照して算出しています。
トヨタは日本最大の輸出企業だけあって、為替スコアが10と最大で、輸送用機器業種の平均よりも高い値をつけています。
一方、為替感応度がそれほど高くないとされるのが電気・ガス業や陸運業です。国内向けの事業が中心だからです。東京ガス(9531)のスコアを見ると、為替スコアは4と低め。宅配便最大手のヤマトホールディングス(9064)も3となっています。
為替感応度だけで安心するのはダメ
ただし、気をつけておきたいのは、為替感応度が低いからといって、必ずしも下落のリスクがないわけではないということです。電気・ガス業について。2016年4月以降、一般家庭での電力自由化の面から、競争が激化し株価が変動する可能性があります。陸運も為替以外で事業環境が変わる可能性は十分あります。
QUICK株サーチでは、こだわり条件で業種を絞ることができるため、株価指数と為替感応度が低いとされている電気・ガスと陸運業を指定することで、さらに絞って検索が可能です。こうして株サーチを利用することによって、電気・ガスおよび陸運業の中でも、比較的リスクが低く割安な株を見つけて、投資することが、損失を抑える一つの手法だと言えます。
編集:QUICK Money World