甘くなかったパウエル議長 「帽子からハト」期待の株式市場は失望

いつになく注目が集まる中、4度目の利上げを決めた米連邦公開市場委員会(FOMC)。米株式市場は乱高下しながらもダウ工業株30種平均は一時、下げ幅を500㌦超にまで広げた場面があった。売り圧力が強まったのは米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見中だった。

パウエル議長が悪材料となる決定体的な発言をしたわけではない。しかし、市場が勝手に期待を先行させていた、あるテーマについて言及しなかった点が失望に変わったと考えられる。それは「FRBのバランスシート縮小停止」だ。モルガン・スタンレーは来年のFRBの金融政策見通しについて、現在、粛々と継続しているバランスシートの縮小を9月に停止すると予想している。

今回の記者会見では特段、縮小停止については触れなかった。「引き続き縮小を停止するとの予想は維持するが、その時期は政策金利の引き上げが打ち止められた後になるのではないか」(ノルデア)との指摘が出ていた。

米国株が長期にわたって上昇相場を演じてきたのはFRBの量的緩和策の影響が大きい。足元で米株式相場がふらついているだけに、引き締め停止による株高を夢見ていたのかもしれない。最近になってハト派に転向したと見られるパウエル議長だが、それほど甘くはなかったと言える。(岩切清司)

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