日銀は10日、3営業日連続となる上場投資信託(ETF)の買い入れを実施した。通常のETFが703億円、毎営業日買い入れている12億円の「設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF」12億円の合計715億円で、今年1月からの累計の買い入れ額は5兆9963億円。孤軍奮闘で日本株相場を支える「本石砲」が目安とする年6兆円がいよいよカウントダウンに入った。
国内証券のストラテジストは現状の日銀ETF買いを「ステルス量的緩和」とも評する。日銀は目標と定めている買い入れ枠を超える状況のなか、前場のTOPIXの下落率が小さくても積極的買い入れている。
この状況を前述のストラテジストは「投資家センチメント悪化によるリスクプレミアムの拡大を理由に『上下に変動しうるものとする』という7月に示した文言通りに行動している」と指摘する。
毎営業日に買い入れている新型ETFを考慮すると、すでに実質的に年6兆円の買い入れペースを超えた計算になる。今後もオーバーペースで買い入れを続けるか注目される。(中山桂一、片平正二)
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