インドネシア中銀、今年3度目の利下げ 年内6.5%までの低下を予想

QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はRHB証券インドネシアのリズキ・ファジャル(Rizki Fajar)氏がレポートします。(※本記事は2016年3月25日にQUICK端末で配信された記事です)

インドネシア、追加利下げで民間投資誘引

インドネシア中央銀行(BI)の理事会は17日の会合で、政策金利(BIレート)を0.25%引き下げて6.75%にすると決定した。同様に貸出ファシリティー金利と翌日物預金ファシリティー金利(FASBI)もそれぞれ7.25%と4.75%に引き下げる。インドネシアのマクロ経済の安定に加え、米FRBの追加利上げが年内にほとんど見込めないことが利下げの背景だ。中銀は「マクロ経済と金融システムの安定を維持しつつ経済成長を支える」とを強調。目先の焦点として、金融調節の一貫性ある運用体制づくりをあげた。

 

0401 ③インドネシアの政策金利推移.jpg

一方で、中銀は、インフラプロジェクト開発の加速などの財政刺激策に支えられ、今年の経済成長が5.2~5.6%に上向くことを期待。さらに、最近の政府の規制緩和とそれに続く中銀の金融緩和を受け、今年後半には民間投資が回復すると見込んでいる。

外的リスクへの対処に尽力

世界経済の展望については、2016年と2017年の世界成長予測が以前よりも引き下げられていることから、中銀は外的リスクに対して引き続き警戒していくとしている。日本、欧州の不況と低インフレにより、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行はそれぞれ、流動性供給やマイナス金利政策を通じた追加緩和を強いられたと中銀は認識している。加えて長期に及ぶ中国の経済減速により、中国人民銀行(中央銀行)は低迷する自国経済を刺激するために預金準備率を引き下げた。
 中銀は、今後もマクロ経済の安定と持続可能な成長を維持するため、インドネシア経済のファンダメンタルを踏まえ、為替相場の安定を維持する努力を強めていくと述べた。

さらに25bpの利下げを予想

インドネシアの金融システムは、弾力的な銀行制度と比較的健全な金融市場に支えられ、安定を維持している。2016年1月の各行の自己資本比率(CAR)は下限値の8%を大きく上回り、21.5%の高さを維持した。同時に不良債権比率(NPL)は依然低く、債権全体比でグロス値が2.7%、ネット値が1.4%と比較的安定している。これに対し、1月の貸付成長率は前年同月比9.6%と前月の10.4%から低下したが、同月の預金残高は前年同月比6.8%の伸びを記録した。
 さらにRHB証券では、燃料価格の下落と軟調な国内需要が原因で、2016年はインフレが低水準で推移するとみている。2016年の経常赤字は対処可能な水準にとどまりそうだ。また、大量の外資流入と国内市場での外貨需要の低下が続き、ルピア高を促すと見込まれる。これらは中銀に対して、金融政策をいっそう緩和させる余地を与えるだろう。しかし中銀は今後の金融緩和の決定には慎重な姿勢を維持し、次の動きを決定する前に世界経済の成長を考慮するだろう。この点に関して、われわれは2016年中に政策金利がさらに0.25%引き下げられ、6.5%になると予想する。【翻訳・編集:NNA】

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