ビットコインが下値を切り下げている。仮想通貨の情報サイト、QUICK CRYPTO LABによると、日本時間27日午前11時10分時点の円建て価格は前日比1万1760円(2.75%)安の41万6048円で推移している。 bitFlyerベースで価格を比較すると2017年9月下旬以来、約1年2カ月ぶりの低水準。ちょうど1年前には一時、200万円を突破するなどバブルの様相を呈していたが、年明けから調整局面に入った。さらに11月からは一段安の展開となっている。
背景には様々な要因が考えられる。仮想通貨そのものが盗難されるなど仮想通貨交換業者のセキュリティーに対する不信感のほか、ビットコインの分裂騒動も逆風になった。仮想通貨関連のツール開発・資産管理を手掛けるクリプタクト(東京・千代田)は直近のレポートで「ビットコインの価格はさらに15%近いダウンサイド(36万円)があり得る」と指摘した。
■2013年12月~17年1月の価格と変動率
■現在(17年12月~18年11月)の価格と変動率
(いずれもクリプタクト調べ)
同社が今回の分析で利用したのがビットコインの変動率だ。「今回の市場低迷期において2018年11月24日には、2017年12月16日の高値価格と比べて80%下落した。これは前回の低迷期の82%と比較してほぼ同じ水準まですでに下落した計算。前回の底値を意識するなら2%ほどの下落の可能性がある。すなわち現在の価格からみるとおよそ15%の下落、価格にして36万円近辺まで下値余地があることを示唆している」と見る。
一方で「底入れのタイミングも近い」という。「ボラティリティの動きが前回の低迷期と似ていることから、現在起きているボラティリティの上昇は、株式市場でいうところの、いわゆるセリング・クライマックスに近いかもしれない。その場合はボラティリティの落ち着きと共に底値からの反転が生じる」との見方も示した。(岩切清司)
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