23日の米市場でダウ工業株30種平均が4日続落した。この日はアップルに売りが継続し、下落率は2.5%に達した。このほかグーグルの親会社であるアルファベットやフェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックスも軒並み下げた。いわゆる「FAANG」が断続的な売りに押されている。
■118兆円=ほぼ日本の上位15社分
(単位100万ドル、QUICK FactSet Workstationより)
QUICK FactSet Workstationで23日時点の各社の時価総額から今年最大だった時価総額を差し引いた合計を算出すると1兆451億ドル(約118兆円)に達したことが分かった。日本企業でいうと、首位のトヨタ自動車(約22兆円)から15位のリクルートホールディングス(約4.8兆円)までを合計した金額にあたる。
FAANGの時価総額のピークはおおむね7月。半年もしないうちに100兆円規模で世界市場から「含み益」が消え去った。これらの銘柄は大手機関投資家から日本の個人投資家に至るまで幅広く投資の対象となっていただけに、リスク許容度を低下させる。下がるから売る、売るから下がるの悪循環が本格化するのか。市場の警戒感は一段と高まりそうだ。(岩切清司)
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