米1強、消去法で買われた日本株 「27年ぶり」が突きつける現実

2018年度下半期入りした10月1日の株式市場で日経平均株価は前週末比125円高の2万4245円まで上昇し、1991年11月13日以来約27年ぶりの高値を付けた。最高値圏にある米国株に比べ出遅れ感のある日本株を再評価する海外マネーが流れ込んでいる。ただ、消去法的な買いという色彩も濃く、上昇が持続するかどうかは見方が分かれている。

世界取引所連盟(WFE)によれば、同連盟に加盟する世界の取引所の株式時価総額合計は8月末時点で約85兆5000億ドル(約9700兆円)。このうち東京市場が占める比率は7.08%で過去10年の平均(7.2%)をわずかながら下回った。

一方、ニューヨーク証券取引所とナスダックを合計した米国株の比率は42.3%と過去10年の最高で、この間の平均値を6ポイント近く上回る。日本株の占有比率が過去に比べ極端に低い訳ではないが、米株の持ち高が膨らみすぎたことで、相対的に出遅れ感の残る日本株に資金シフトする動きが海外勢の一部にみられる。

9月末時点の東証1部の時価総額は8月末比5%近く増えたことから、すでに世界全体に占める日本株の比率は過去平均並みの「中立」水準を回復した可能性がある。だとすると、海外勢はさらに日本株を買い続けるのか、それとも様子見に転じるのか。アセットマネジメントOneの鴨下健ファンドマネジャーは、「日本株は投資指標面で特に割安とは言えず、過去平均並みに戻れば買いは一服するだろう」とみている。

振り返ってみれば、バブル経済が名実ともに終焉し、「失われた10年」が始まった……などといわれた当時。1991年11月13日と最近の市場・経済環境を比較した。

【日本】         <1991年11月13日> <2018年10月1日>
日経平均株価         2万4416円     2万4245円
東証株価指数(TOPIX)    1837        1817
PER(前期実績)       38.3倍(11月末)  15.2倍(9月末)
東証1部の時価総額        369兆円(同上)   683兆円(9月末)
長期金利             5.981%       0.125%
円相場(1ドル=円)      129円64銭(月平均) 113円92銭(1日午前)
               <1991年>     <2017年> 
名目GDP            482兆円       546兆円
名目GDP(ドル建て)    3兆5844億ドル    4兆8721億ドル
マネタリーベース        37兆円(11月)   498兆円(8月)
                                
【米国】         <1991年11月13日> <2018年9月28日>
米ダウ工業株30種平均      3065ドル     2万6458ドル
米S&P500種株価指数      397        2913
米長期金利           7.41%       3.07%
               <1991年>     <2017年>
名目GDP(ドル建て)   6兆1740億ドル     19兆3906億ドル
マネタリーベース      3284億ドル(11月) 3兆5845億ドル(8月)
                                
【中国】         <1991年11月13日> <2018年9月28日>
香港ハンセン指数         4240      2万7788
               <1991年>     <2017年>
名目GDP(ドル建て)     4156億ドル     12兆 146億ドル

27年間で米ダウ工業株30種平均は約8.6倍、香港ハンセン指数は約6.6倍となり、日本株は大きく水をあけられている。国際通貨基金(IMF)のデータでは、ドル建ての名目国内総生産(GDP)は米国が3倍程度となったが、日本は3割強しか伸びていない。低成長が株価低迷につながっているという見方ができる。

【日経QUICKニュース(NQN) 張間正義】

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