今度はアップル、T砲「米国生産」の圧力で株価に不透明感

どこかで見た構図だ。3か月前、同じように激しい口先介入で圧力をかけられた、有名な大型バイクのメーカーを思い出した人もいるに違いない。

トランプ大統領がツイッターで「アップルが関税をゼロにする簡単な解決策がある。それは中国ではなく、米国で生産することだ」とつぶやき、米中の貿易紛争懸念が強まる中でアップル株の先行き不透明感が強まっている。10日の米国市場で同社株は4日続落し、1.34%安の218.33ドルで終えた。一時は216.47ドルまで下げ、25日線(216.32ドル)を探る場面もあった。アップル1銘柄でダウ工業株30種平均を20ドル押し下げ、指数の重しとなった。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチは10日付のリポートで、アップルが7日に対中追加関税によってウェアラブル端末のApple Watchなどに悪影響が出るとの見解を米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表への書簡で明らかにしたことやトランプ氏の8日のツイッターを踏まえ、アップルの1株当たり利益(EPS)に与える影響は0.05ドル以下と指摘した。iPhoneを米国内で組み立てる場合、20%の値上げが必要になるとしながら、「関税対象となっている製品を米国で製造することに伴ってコストが15~25%増える可能性があり、需要の一部を破壊する恐れがある」とも指摘した。

一方、かつて投資会社パイパー・ジェフリーのアナリストを務め、長年アップルを担当しているループ・ベンチャーズ・マネジメントのジーン・マンスター氏は10日のブログで「アップルはトランプ氏の製造に関する圧力で実質的に影響を受けない」と指摘した。2000億ドルの追加関税措置によってApple Watchなどで収益性が10~20%低下するだろうが、「2年後にはこれらの関税は廃止されると考えている」と指摘した。

また、トランプ氏が米国内で生産を増やすよう圧力を強めていることについて「アップルは今後5~10年間で米国での生産を増やす可能性があるが、製造シェアは10%未満で小さいままにとどまると見込まれる。現在の米国内での製造・組み立ての比率は5%と推計される」としつつ、「アップルは今後5年間で3500億ドルを米国に投資することを約束している」ことも改めて指摘。トランプ政権にアップルがうまく対処できると見込んでいた。(片平正ニ)

★ジーン・マンスター氏のブログ
https://loupventures.com/apple-wont-be-materially-impacted-by-trump-manufacturing-pressure/

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