米商品先物取引委員会(CFTC)の投機ポジション(14日時点)でユーロが1789枚のネットショートとなった。ユーロの投機ポジションがショートとなるのは2017年5月2日以来、1年3カ月ぶりのこと。トルコと米国の対立が激化したことで13日、トルコの通貨リラの対ドル相場が1ドル=7.2362リラに急落。史上最安値を更新するなか、ドル高・欧州通貨安の流れを受けてユーロ売りが活発化した格好だ。
豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は20日付のリポートで、CFTCの為替ポジションを踏まえて「レバレッジド・ファンドとアセット・マネジャーズらは2週続けてドルを買い越した」と指摘した。ドルの買い越し規模は前週比で5億ドル増の303億ドルに膨らんだといい、2015年11月以来の高水準に達したという。米中の貿易紛争懸念が残るなか、ドル指数が強含んでいることと整合的な動きとみられる。
なお、リポートでは「今週はFOMCの議事要旨のほか、ジャクソン・ホールでパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が週末に開かれるため、短期的なポジショニングを占う上で重要なものになるだろう」と指摘した。(片平正ニ)
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