テンセント・ショック、それでもアナリストは強気

中国のインターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)の決算が15日の米市場を揺らした。2018年4~6月期決算で純利益が前年同期比2%減の178億6700万元(約2880億円)となった。四半期ベースの減益はおよそ13年ぶり。米国の店頭市場(ピンクシート)でテンセント株は6%超も下落した。

投資家が動揺したのは減益だけではない。主要項目がアナリスト予想に届かなかったことが大きい。

<テンセントの4~6月期決算>
          実績      市場コンセンサス
売上高      736億7500万元  779億4600万元
ゲーム関連事業  420億6900万元    464億400万元
EPS                              1.87元                  1.97元
※QUICK FactSet Workstationより

 

特に主力のゲーム関連では実績と市場予想のかい離率が9.3ポイントとなった。QUICK FactSet Workstationによると13年4~6月期以降で最大だ。急速な成長への期待感が今回の決算で一気に失望に転じた可能性が出てきた。米市場ではほかのネット関連株も軒並み売られただけに、余波がどこまで広がるのか注意が必要だ。

 

<ゲーム事業の売上実績に対する市場予想のかい離率の推移>

※QUICK FactSet Workstationより

 

しかし、テンセントの成長に対してアナリストはまだ希望を捨てていないようだ。主軸のゲーム関連事業が事前予想に届かなかったことを受け、各社の担当アナリストは一斉に目標株価の引き下げに動いたが、投資判断を「買い」で据え置くアナリストも目立つ。JPモルガンでは「今回の決算でゲーム関連が弱かったものの、引き続き力強い成長を続けると予想する」との見方を示しているようだ。

 

 ※QUICK FactSet Workstationより

最近では8日に配信したオンラインゲーム「モンスターハンター:ワールド(モンハン)」が13日に当局の指導により配信停止に追い込まれた。懸念材料ではあるものの「年末までには解決されるのではないか。株価の急落場面は押し目買いの好機」(マッコーリー・キャピタル)との声もあった。(岩切清司 )

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