ベンチマーク3社の決算から始まる業績相場の夏 ファナック・日電産・信越化

24日の東京株式市場で東証1部の概算売買代金は2兆0392億円と6月25日以来となる約1カ月ぶりの低水準にとどまった。米欧の貿易交渉の行方を待ち、積極的に動きにくい状況。加えて市場関係者がいくら企業業績を分析しても、トランプ米大統領のツイッターでのつぶやき「口撃」で相場の地合いが一変する「夏枯れ」とも呼ぶべき状態だ。しかし、いよいよ3月期決算企業の第1四半期決算発表が本格化する。きょう25日は世界景気と企業業績の先行きを占うベンチマークでもあるファナック(6954)、日本電産(6594)、信越化学工業(4063)が大引け後に決算を発表する予定だ。

●ファナック(6954)
省力化投資、ファクトリー・オートメーション(FA)で注目されるのはファナック(6954)の第1四半期決算だ。

FA関連ではすでに前哨戦があった。2月期決算の安川電機(6506)が先駆けで、12日に発表した2019年2月期第1四半期累計(18年3月~5月期)連結決算は決算期変更で単純な比較はむずかしいが、営業利益が前第1四半期比で30%増の171億9000万円となり、第1四半期としては過去最高だった。一方で、3~5月期のセグメント別の受注高をみると、モーションコントロールが前四半期比では17%増と伸びているものの、前年同期比では1%減と「潮目」の変化をうかがわせる内容だった。13日の東京株式市場で安川電は買い先行で始まったものの、ほどなく下落に転じた値動きからは、投資家の慎重姿勢がうかがえた。

13日にはジャスダック上場で精密減速機のハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)が2018年4~6月期の受注高・売上高実績(非連結)を発表し、受注高の大幅な落ち込みが関連銘柄の下げを誘った

ファナックの決算発表は、落語の寄席に例えれば「真打ち登場」の感がある。ファナックは4月26日に2018年3月期連結決算を発表した際に、19年3月期連結決算予想で営業利益が前期比33%減の1517億円を見込むなど二桁減益予想を示した。その後の集計を反映したアナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(13平均)は18年3月期連結の営業利益を前期比11%減の2025億円とみている。ファナックは19年3月期の業績予想の前提となる為替レートを対米ドルで100円とみているが、会社予想は「かなり保守的」と見る向きが多いのではないか。第1四半期の実績、受注動向、業績予想修正の有無と見どころは多い。
 

●日本電産(6594)
日本電産(6594)の2018年4~6月期連結決算(国際会計基準、IFRS)は、第1四半期の着地と、ずばり業績予想の上方修正の「幅」が関心事だろう。日電産はことし1月の決算説明資料で、創業以来の大波(ビッグチャンス)が来ていると指摘。同社製品のモーターを「産業のコメ」と言ってはばからない日電産は「脱炭素化」「ロボット化」「省電力化」「物流革命」を大波に挙げている。業績予想の前提となる為替レートを、対米ドルで100円と設定して、19年3月期通期の連結見通しで、期初の予想営業利益を前期比13%増とみているのが強み。「円相場が100円の前提で二桁増益」予想を誇る日電産の「お手並み拝見」となる。


 
●信越化学工業(4063)
半導体関連で目が離せないのが信越化学工業(4063)。4月27日に18年3月期連結決算を発表したが、19年3月期の通期業績予想および配当予想は開示しなかった。

19年3月期連結の業績予想では、東洋経済新報社の会社四季報(18年3集・夏号)で、営業利益が前期比4%増の3500億円とよむ。日本経済新聞社は同6%増の3600億円、アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(14社平均)は同14%増の3831億円をみている。期待値が大きいとみられるだけに第1四半期の実績が低調だと「失望」と受け止められる可能性は否めないが、第1四半期の実績および、開示されるであろう通期の業績予想および配当予想などが注目材料。24日に18年4~6月期連結決算を決算発表した日立ハイテクノロジーズ(8036)は、主要な顧客先の投資計画に変更があり、電子デバイスシステムの評価装置で同四半期の受注が大きく減少したと説明していた。26日に決算発表を予定する東京エレクトロン(8035)などとも併せて「半導体関連銘柄」は、市場環境を浮き彫りにする材料を積み上げる局面を迎えそうだ。(山口正仁)

 

※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

 

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