働き方改革で来たるべき大副業時代 注目される関連銘柄

安倍晋三首相が最重要法案と位置付ける「働き方改革」関連法案が今国会での成立が秒読みとなっている。法案は、残業時間の上限を「月100時間」とする罰則付き規制の導入や高収入の専門職を労働時間規制から除外する「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設が柱となる。

「働き方改革」は、多様な働き方を可能とするとともに、中間層の厚みを増しつつ、格差の固定化を回避し、成長と分配の好循環を実現するため、働く人の立場・視点で取り組くという定義。ただ、現実的には広告最大手・電通の新入社員の過労自殺事件を機に長時間労働を見直す色彩が強いようだ。

半導体商社のルネサンスイーストンは昨年9月に業績予想の上方修正を発表したが、その理由に「働き方改革の実施等により、経費も当初予想を下回る見込み」と挙げたことは、「働き方改革=残業代削減」という象徴的な事象といえよう。また、プレミアムフライデーの実施にはじまり、残業時間の上限設定の動き、週休3日制の導入(日本IBM、ユニクロ、佐川急便、ヤフー)などに取り組む企業も出ており、労働時間の減少する取り組みが広がりつつある。

長時間労働の是正は好ましい動きだが、残業を前提とした給与体系で残業時間が減ることは困るとの声も少なくない。残業時間の削減=収入の減少につながるため、残業代に替わるお金を稼ぐために、副業を望む労働者が多いようだ。ある転職会社が実施したアンケート調査によれば、副業に興味があるとの回答は全体の約9割にも達したという。動機としては、収入を得たいこと・モチベーションを高めること・人脈形成・スキルアップ・視野拡大を通じた本業の活性化――などがあるようだ。

副業は原則禁止とされていたが、厚生労働省は今年1月に企業が就業規則をつくる際の参考として示している「モデル就業規則」を見直し、副業や兼業を禁止する項目を削除したうえで、原則として容認する内容に変更した。このような動きを背景に、上場企業でも副業を解禁する動きが出始めており、ロート製薬が2016年2月に副業を解禁したことを皮切りに、DeNA、ソフトバンクグループなどが副業を解禁した。今後も「モデル就業規則」の見直しを契機に、副業を容認する企業が相次ぐ公算が大きい。

このように、残業時間削減に伴う収入減、高い副業意欲、官民での副業容認の動きなどの複合要素により、副業人口が大幅に増加することが予想される。では、副業が容認となった場合に、どのような手段を選ぶのだろうか。手っ取り早い手段としては、SNS等で商品を宣伝するアフィリエイトが考えられる。次には、短期アルバイトとして日雇い労働、コンビニなどの旧来型の肉体労働か。また、趣味の延長戦上で写真やイラストを制作して販売するほか、手芸等で作品販売などを行う向きもあろう。さらに、効率的な在宅ワークの手段としてクラウドソーシングを選択する労働者も多そうだ。その一方で、副業を開始する前に、英語や会計などを学び直すこと(リカレント教育)でスキルアップすることも考えられよう。

副業関連と目される銘柄を挙げてみた。特に注目されるのは、クラウドソーシング大手のクラウドワークスで、昨年7~9月期に四半期ベースで初の営業黒字転換を果たし、その後も順調に業績を拡大。直近では三菱UFJFG、大和証券グループと資本業務提携を締結し、個人向けの新しい金融サービスの構築を目指すなどカタリストが豊富だ。(本吉亮)

<副業関連銘柄一覧>

※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。

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