FEDが25bp利上げの「先」に見ている景色 きょうからFOMC

歴史的な米朝会談の後、市場関係者の視線は相次ぐ中央銀行関連のイベントに集中。まず米連邦準備理事会(FRB)が12~13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。市場では25bpの追加利上げがコンセンサスとなっており、声明文や併せて公表される四半期経済見通し(SEP)のドットプロットなどに関心が高い。

JPモルガンは7日付のリポートで、「2018年のFF金利予想のドット・プロットで、(利上げ回数の)中央値が年3回が4回に増える可能性はまだありそうだ」と指摘した。中央値が上昇するには3月FOMC時点で年3回を見込んでいた6人のうち、少なくとも1人が4回にならなければならない。その6名について、JPモルガンはボスティック氏、ハーカー氏、カプラン氏、エバンズ氏、ブレイナード氏、そしてパウエル議長かバーキン氏だろうと予想しながら、「5月の米雇用統計後に公式な発言はないが、ボスティック氏とエバンズ氏は利上げを急ぐ必要はないとしつつ、ハーカーとカプラン氏は中立に行こう、そしてブラブラしようと言っていた。その一方、ブレイナード氏は最近最もタカ派的になった」と指摘。ハト派とみられるメンバーがややタカ派に転じても不思議はないとしつつ、「パウエル議長が失業率の改善を踏まえて他のスタッフ同様に見通しを変えれば追加利上げ派が増えるだろう」と指摘した。

なお、会合後のパウエル議長の記者会見に関しては「3月会合の最初の記者会見を踏まえると、貴重なメッセージが出ることは無さそうだ」とノーサプライズを見込んだ。

ゴールドマン・サックスは8日付のリポートで、「FOMCメンバーの構成に変化はないが、ドットプロットはタカ派的な予測変更が見込まれる」と指摘。ドットの中央値が示す2018年の利上げ回数は3月時の3回から、今回は4回に増えることになりそうだとしつつ、「2019年の予測中央値も25bp引き上げられると予想され、2019年の利上げ回数が3回、2020年に1回の追加利上げとの見通しと一致する」と指摘。結局、2018年に4回、2019年に3回、2020年に1回となる見込みだといい、「雇用の大幅なオーバーシュートを示すエビデンスが次々と出る状況に対する自然な反応と言えるだろう」とみていた。SEPのドットプロットは本来、金融政策の方向性を示すフォワードガイダンスの役割を果たすものではないが、FRBが追加利上げに強くコミットしたと市場が受け止めれば、初動はドル高・債券安・株安となる恐れがありそう。

なお、ナットウエストは4日付のリポートで「FRBが何回利上げするかより、最終的に金利がどの程度上昇するかの方が重要だ。言い換えれば、政策が中立的な水準に達すると、FRBは引き続き利上げをするだろうか? 現時点では、意味のあるインフレ率のオーバー・シュートが起こるとは予測しておらず、FRBが長期の政策金利見通し(ロンガーラン)を上回る利上げをする必要がある理由は見られない」と指摘した。長期的な見通しでは、年間の利上げ回数より、FRBが考えるロンガーランがどの水準まで引き上げられるのかが重要かも知れない。(片平正ニ)

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