30日に発表された5月のオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)の全米雇用リポートで、民間部門の就業者数が前月比17万8200人増加した。市場予想(18万5000人増)をやや下回る弱めの数字だった。6月1日発表の5月雇用統計の非農業部門の新規雇用者数(NFP、市場予想19万人増)の下ブレリスクがやや警戒されるものだった。
今回のADPを受けて、JPモルガンは30日付のリポートで「5月に雇用がしっかりと増加したことが示され、市場予想をやや下回るものだったが、ADPが雇用統計のNFPと関係性があって、初版になるとは証明されていない」としながら、「当社はNFPが25万人増えると予想する。市場予想は19万人増だが、最近の天候要因による好影響がADPには現れなかったとみられる」と指摘した。
ノムラ・セキュリティーズは30日付のリポートで「ADPは当社予想(20万5000人増)や市場予想を下回るもので、4月分も20万4000人増から16万3000人増に下方修正された」としながら、「ADPは全体として予想を下回るものだったが、しかしながら5月雇用統計は天候要因で市場予想を上ブレると見込まれる」と指摘。「歴史的にみて、ADPは天候要因による雇用の増加を反映することが難しかった」とし、NFPで20万5000人増を見込んだ。(片平正二)
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