10日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は、前月比0.2%上昇と0.1%低下した3月からは上向いたが、市場予想(+0.3%)を下回った。コア指数は前月比+0.1%と3月の+0.2%から伸び率が鈍化し、市場予想の+0.2%も下回った。
その一方、原油価格は上昇しており、米BEI(ブレーク・イーブン・インフレ率、債券市場が織り込む期待インフレ率)はほぼ横ばいとなっている。CMEフェドウォッチツールによる、2018年にあと3回以上(3月を含めると年4回以上)利上げする確率は48%と9日の50%から小幅な低下に止まっている。
予想を下回るCPIを受けて米金利は下がったが、このまま金利低下基調に転じることはなさそうだ。(池谷信久)
米BEIと原油価格の推移(QUICK FactSet Workstationより)
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