19日の米株式市場でアップル株が大幅に続落し、前日比5.04ドル(2.8%)安の172.80ドルで終えた。一時は172.66ドルまで下げた。アップル向けに部品を供給する台湾の半導体受託最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が19日発表した業績見通しが市場予想を大幅に下回り、アップルのスマートフォン(スマホ)需要の鈍化が警戒された。
TSMCが2018年1~3月期決算と同時に発表した18年4~6月期の売上高見通しは78億~79億米ドルにとどまり、市場予想(88億米ドル)を大きく下回った。TSMCはアップルのスマホ「iPhone8」「iPhoneX(テン)」に使われるCPU(中央演算処理装置)のA11プロセッサを製造するサプライヤー。売り上げの2割がアップル向けとされる。
18年4~6月期はiPhoneの新製品が販売される18年7~9月期の前の四半期にあたるため、需要鈍化がある程度は予想されていた。ただ、4~6月期に新型iPhoneで採用される見込みのA12プロセッサの製造が始まるとみられており、先行きにやや不透明感が出た。TSMCの米預託証券(ADR)は5%下落した。
19日はアップルのサプライヤーである半導体関連銘柄が軒並み大幅安。クアルコムが4.8%安、インテルが2.6%安となった。フィラデルフィア半導体指数は大幅続落し、4.3%安の174.28ドルで終えた。
日本国内の上場企業にもアップルのサプライヤーは多い。TSMCショックは東京市場にも波及し、村田製(6981)やアルプス(6770)など関連株は軒並み下落している。(岩切清司、片平正二)
<日本国内の主なアップルのサプライヤー一覧>
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