9日の米国市場でソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手のフェイスブックが0.46%高の157.93ドルで反発して終えた。2016年の米大統領選に関連して、約8700万人のフェイスブック利用者の個人情報が英コンサルティング会社に不正に利用された問題を受けて、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が10日に米議会上院の司法委員会と商業科学運輸委員会、翌11日には米下院のエネルギー・商業委員会の公聴会にそれぞれ臨む予定となる中、相場の地合い改善を受けて自律反発の動きが出たが上値は重かった。通常取引終了後の時間外取引では売りに押され、日本時間8時59分時点の株価は156.58ドルと9日の終値を1.35ドル(0.85%)下回った。
【フェイスブックの1カ月間の株価推移】
下院のエネルギー・商業委員会は9日、公聴会に先立ってザッカーバーグ氏の証言原稿を公表した。その中でザッカーバーグ氏は「われわれは責任を果たす上で幅広くみておらず、それは大きな間違いだった。それは私のミステイクで、申し訳ないと思っている。フェイスブックを始めたのは私で、私が運営しており、そこで起きた事に私が責任を持っている」と創業CEOとしての責任を強く主張していた。
米マーケット・ウォッチによれば、モルガン・スタンレーは顧客向けメモの中で、「規制リスクが高まっており、インターネット関連銘柄は何カ月かペナルティー・ボックスに置かれるだろう」と弱気な見解を示したとのこと。ゴールドマン・サックスは9日付のリポートで、欧州で厳格なプライバシー規制をネット企業に適用する一般データ保護規則(GDPR)が5月25日に施行されることを踏まえながら「我々はアルファベットとフェイスブックにGDPRが適用される恐れがあるとみているが、インパクトを予想することは難しい」との見解を示していた。
※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。