6日に米労働省が発表した3月の米雇用統計で、非農業部門の新規雇用者数(NFP)は前月比10万3000人増にとどまり、市場予想(18万5000人増)を大幅に下回った。平均時給は+0.3%で市場予想(+0.2%)を上回る一方、2月分のNFPは32万6000人から31万3000人増に下方修正され、マチマチ感のある内容だった。
ゴールドマン・サックスは6日付のリポートで「天候要因で3月のNFPは6万5000人の押し下げ要因があったが、予想を下回る弱い数字に なったことはこれだけでは説明できない」と指摘。GSはNFPを20万人増と見込んでいた。その上で平均時給が前年同月比で+2.7%と好調な伸びを示したことを踏まえ、「米連邦準備理事会(FRB)の利上げ予想を据え置き、6月の利上げ確率を80%と見込む」との見解を示した。
また、バンクオブアメリカ・メリルリンチは同日付のレポートで「天候要因やカレンダー要因でNFPの伸びに大きなぶれが生じている」と指摘した。市場コンセンサス(+0.3%)と一致した平均時給の伸びについて「良好なトレンドのシグナルだ」とした。「今回のデータにはノイズが多いが、数字だけでなくトレンドで見れば堅調な雇用市場の継続を見て取れる」との見解を示した。
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