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株主優待、QUOカードが増える理由 恩恵受ける銘柄は?

記事公開日 2018/3/20 13:04 最終更新日 2018/3/20 13:04 株主優待 株式マーケット QUICK Market Eyes

3月期末まで残りあとわずか。例年、この時期になると3月期決算銘柄の優待権利取りの動きが活発になる。

野村IRによると、株主優待実施銘柄は1992年の251から増加傾向が続いている。リーマン・ショックの影響で2008年に一時的に減少したが、その後も増加が続き、2017年12月末時点で過去最多の1442となり、全上場銘柄(4039)の35.7%が株主優待を実施していることになるという。

優待を実施する目的は「個人株主の増加」で、それに次いで「株主の長期保有促進」が多い。保有期間に応じて内容がグレードアップする「長期保有優遇型」の優待を導入する企業も増えているようだ。また、流動性の向上を目的とする企業も年々増加しているという。

優待実施企業は、BtoCの消費者向けに事業を展開している小売り、サービス業が圧倒的に多く、自社製品(サービス)の優待や割引券などを送るケースが目立つ。最近はBtoBの企業向けに事業を展開している銘柄も増えているが、このような銘柄の場合は自社製品の優待などが難しいため、配送コストも軽いQUOカードを優待品として贈呈するケースが多い。

優待品としてQUOカードを贈ることの是非を問う声もあるが、個人投資家にとってメリットは大きいようだ。具体的には①利用制限②換金性③節税――のメリットだろう。

①の利用制限に関しては、自社製品(サービス)の優待や割引券では、1回で利用できる限度額が制限されていることもあれば、利用できる期限(半年や1年間など)が設定され、利用できる店舗が近場にない場合は持て余すことになってしまう。QUOカードなら様々な店舗で利用可能なうえ、無期限で利用できる。

②の換金性に関しては、金券ショップのアクセスチケットによれば、QUOカードの買い取り率は96%以上もある。自社サービス割引券の換金率は額面の5~7割程度であることが多いことを勘案すると、効率が良いと言えよう。

③の節税メリットに関しては、配当で1000円増えると税金で2割減額となり、手取りは800円となるが、額面1000円のQUOカードを取得するなら税金は取られない。上記の金券ショップで換金すると960円となる。

大口投資家の場合は、株主優待で取得できるQUOカードは微々たるものとなるため配当を好むが、単元株で優待取得を狙う個人投資家の場合は配当とQUOカードで同額もらえるなら、QUOカードの方が節税メリットを享受できることになるわけだ。

QUOカードが優待贈呈品として数多く利用されることを喜んでいるのはQUOカード発行元である「クオカード」ではなかろうか。

クオカードは、汎用型プリペイドカード「QUOカード」の発行事業者として、1987年の発行開始から30年間にわたり推計1兆円(年間600億円)を超えるカードを発行。全国で5万7000店超の加盟店網を構築し、2017年3月期決算は、売上高が約33億円、純利益が12億6700万円だった。

そのクオカードは長らくSCSK(旧CSK、9719)の子会社だったが、昨年10月末に携帯電話販売最大手のティーガイア(3738)に買収され、完全子会社となった。

ティーガイアは決済サービス事業を携帯電話等販売事業に次ぐ中核事業と位置付けており、クオカード買収により成長が見込まれる同事業分野の拡大を図り、QUOカードの発行拡大とスマートフォンでも利用可能な「デジタル版 QUOカード」の生産を目指すとしている。そのため、株主優待需要でQUOカード発行総額が増加することはティーガイアの業績に少なからず寄与することになろう。

ちなみにティーガイアは、従来3月末(年1回)の100株以上の株主に対して一律で自社運営のスマートフォンアクセサリーショップ向けギフトカード3000円分を贈呈していたが、昨年にQUOカード3000円分へ変更。さらに、今年2月には3月末および9月末(年2回)の株主に対して、保有株数および保有期間に応じてQUOカードを贈呈する「長期保有優遇型」方式に変更。1年未満では100~300株未満が年2000円分(3月末1000円分、9月末1000円分)、300株以上で年3000円分(3月末1000分、9月末2000円分)。1年以上では100~300株未満が年3000円分(3月末1000円、9月末2000円分)、300株以上で年5000円分(3月末2000円、9月末3000円分)とした。

自身の優待をQUOカードに変更し、運営元の「クオカード」を買収、長期保有優遇型優待も導入したティーガイア。現行の株主優待制度を象徴する銘柄と言えるのではなかろうか。

●QUICK端末のナレッジ特設サイト「株主優待ウオッチ」では、3月末権利確定銘柄を閲覧できるほか、簡易検索などもできます。

※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。


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