QUICKがまとめた16日時点のFX大手8社の建玉状況、「QUICK店頭FX建玉統計」で円に対するドルの買い建玉は前の週に比べ4.5%増の52万8173(単位:1万通貨)だった。増加は2週ぶり。一方でドル売り建玉は同4.2%減の14万310(同)だった。ドル買い建玉の比率は79.0%と前の週から1.5ポイント上昇した。ドル円が再び1ドル=105円台に突入し押し目買いを入れたようだ。
米商品先物取引委員会(CFTC)が16日発表した13日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で投機筋(非商業部門)による円の売越幅は4週続けて縮小した。前週比7306枚少ない7万9539枚と2017年9月26日以来ほぼ半年ぶりの低水準。日本の個人とは対照的に投機筋は円売り・ドル買いのポジションを縮小させた。
シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは19日付のレポートで「主な為替ファンド持高を指数化したシティFXポジション指数を見ると、いったん中立化した円ポジションがこの数日は再び円ロング構築を示している」と指摘。そのうえで「こうした海外短期筋の円買いに対して、105円台でドル円の下値を支えているのは国内投資家からの打診買いでないかと思われるが、目立った地合い改善にはつながっていない。状況は依然、ぜい弱だ。直近安値(105.2円前後)を割り込む場面では2円ほどの値崩れには覚悟が必要か」と警戒感もにじませた。
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