ビットコインに先安観再び 下値メドは5000ドル? オプション取引が示唆

インターネット上の仮想通貨ビットコイン(BTC)が再び下げ基調になっている。情報サイトのコインデスクによると、ドル建て価格は日本時間15日に一時7700ドル程度と2月上旬以来の安値を付けた。

国内の個人投資家を中心に売りが続き、前週半ばまでの中心レンジだった1万ドル台からの下げ幅は3000ドル程度に達した。2月6日に付けた今年の安値である6000ドル割れが視野に入り、オプション市場を中心に先安観が広がってきた。

今週の相場下落について、市場では「コインチェックの利用者による法定通貨への換金売りがコンスタントに出ている」との声が多い。1月に仮想通貨「NEM(ネム)」の巨額流出が発覚したコインチェックは12日、ビットコインやイーサリアム、リップルなど一部通貨の売却や引き出しを順次再開すると発表していた。

<円建てのビットコインも下げ基調になっている>

btcチャート

イタリアや中国系の交換業者でハッキング被害や通貨の不正流出が相次いだこともあって、世界的にビットコイン取引の熱は冷めている。情報サイトのブロックチェーンインフォによれば、3月に入ってからの1日あたりのビットコイン取引承認数は15万件程度と、2016年3月以来、約2年ぶりの水準まで急減。足元でも20万件に届かず、ドル建て換算の売買高も低迷したままだ。

取引高の減少は、市場でどの程度自由に売買可能な状況かを示す「流動性」の低下に直結する。小規模な売りでも相場は大きく下げやすくなっていると考えられる。

大口投資家の間では規制強化を嫌気するムードも生じている。香港を拠点に仮想通貨関連のファンドを運用するクリプトムーバーのギャビン・ヤン最高経営責任者(CEO)は「米グーグルによる仮想通貨の広告規制や、19~20日の20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議で規制強化の方策が話し合われる見込みなのも買いの手控え要因になっている」と分析していた。

では、相場の下値メドはどのあたりになるだろうか。市場では「オプションの需給から判断すると5000ドル程度ではないか」との指摘が聞こえてくる。ビットコインオプションは今のところ、市場参加者の相場観をストレートに反映する唯一の指標だ。

オプションのプラットフォームを提供するレッジャーXでは14日と15日の両日、1ビットコイン=1万ドルを権利行使価格とし6月29日を期日とするプット(売る権利)の取引がまとまった規模で成立した。オプション料は平均すると3000ドル弱。オプションの買い手の「損益分岐点」は単純計算すると7000ドル程度になる。

一方、懸念されているG20に対しては「今回は投資家保護やマネーロンダリング(資金洗浄)対策の必要性を各国が共通認識として持とうとするだけで、具体的な規制内容には踏み込まない」(国際通貨研究所の志波和幸主任研究員)との予想が支配的だ。コインチェック絡みの売りもいずれ終わる。

15日、6月29日期日で5000ドルを権利行使価格とするプットのオプション料は平均で500ドル弱にとどまった。相場が数カ月単位で持続的に下がり、5000ドルを大きく割り込むとの見方までは増えていないことがわかる。ビットコインは当面、5000~7000ドルで推移するというのが、オプションディーラーを中心とする現在のメインシナリオのようだ。

【日経QUICKニュース(NQN) 尾崎也弥】

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