28日の東京株式市場でヤフー(4689)が大幅に続落している。一時前日終値比51円(9.6%)安の483円まで下落し、2017年7月以来、約7カ月ぶりの安値をつけた。
27日配信の米投資情報紙バロンズ電子版が「旧米ヤフーのアルタバが、保有する日本のヤフー株式について100億ドル分を第2四半期に売却する計画である」と報じた。アルタバのトーマス・マキナニー最高経営責任者(CEO)が同日の電話会見で、保有株式の流動化に動くと述べたとしている。
アルタバは2017年9月末時点でヤフーの発行済み株式数の35.6%を保有する。ソフトバンクグループ(9984)に次ぐ第2位の大株主だ。27日の東証終値で計算すると、アルタバ保有のヤフー株の時価総額は約1.1兆円弱となる。株式需給の大きな悪化要因と市場で考えられたようだ。
アルタバは、旧米ヤフー。米ヤフーは2017年6月に主力事業をベライゾン・コミュニケーションズに売却後、会社名を「アルタバ」に変更した。中国電子商取引企業のアリババ・グループとヤフージャパンの株式を所有・管理する投資事業を展開する。
クレディスイスはアルタバによるヤフー株の売却方針について「売却先は未決定ということなので、今後のヤフー側の対応を注視したい」と指摘。「ヤフーは昨年12月末時点で5885億円の現預金(時価総額の19%程度)を保有しており、一部を自社株買いで対応する可能性は高い」とみている。さらに「自社株買いの後は消却する可能性が高いとみており、株価にはポジティブに作用する」との見解を示した。
一方、みずほ証券は「アルタバはヤフーやソフトバンクグループと議論はしているが、現時点でヤフーは自社株買いへの意欲を示していない」と推測。「アルタバは4~6月期からヤフー株を株式市場で売却する体制を整えたが確定できず、できるだけまとめて売却したいが有効な手段が現時点でみえない」との見解を示した。
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