QUICK Money World(マネーワールド)

個人投資の未来を共創する
QUICKの金融情報プラットフォーム

ホーム 記事・ニュース 「黒田日銀総裁続投」報道 市場の注目ポイントはここ
この記事は最終更新から1年以上経過しております。

「黒田日銀総裁続投」報道 市場の注目ポイントはここ

記事公開日 2018/2/13 10:01 最終更新日 2018/2/13 13:58 黒田総裁 QUICK Market Eyes

日本経済新聞(電子版)は9日夜、「安倍晋三首相は4月8日に任期満了となる日銀の黒田東彦総裁を続投させる人事案を月内にも国会に提示する」と報じた。10日の各紙朝刊も黒田総裁の再任を相次いで報じた。

日経QUICKニュース(NQN)の報道によると、政府は2月26日にも黒田総裁の再任を次期副総裁2人の人事案とともに衆参両院にそれぞれ提示する見通し。日銀の正副総裁人事は内閣が国会の同意を得て任命することになっているが、現在は、衆参両院で自民、公明両党の与党が多数を占めており、3月中旬には人事案が両院で可決されそうだ。

QUICKが市場参加者を対象に毎月実施している「QUICK月次調査<外為>」では、次期日銀総裁として黒田総裁の再任を見込む向きがおおむね8割で推移してきており、黒田総裁の続投にサプライズはない。市場が注目するのは、今回の一連の報道では確報がなかった副総裁人事だ。

【2018年1月のQUICK月次調査<外為>より】

ドイツ証「任期途中の退任の可能性も否定できない」

報道を受けてドイツ証券は12日付のリポートで、「3月以降の金融政策の不確実性が避けられない問題だった。黒田総裁が続投であれば、この不確実性は低下し、YCC(イールド・カーブ・コントロール)の継続が基本スタンスとして維持される可能性がさらに高まるだろう」と指摘した。

その上で、「2人の副総裁のうち1人は日本銀行から、もう1人は学者が任命されるだろう」としながら、「ただし、黒田総裁は高齢による任期途中の退任の可能性も否定できない」とし、「今回任命される2人の副総裁の1人が総裁に昇格する準備が必要である」と指摘した。

野村証「カギになるのは誰が副総裁になるか」

野村証券も12日付のリポートで、「われわれの見方では黒田総裁の再任はほぼ確実で、再任はコンセンサスだ」とまず指摘。その上で「最新の報道を受けて市場は反応しないとみられるが、カギになるポイントは誰が副総裁になるかだ」との見解を示した。10日に時事通信が「雨宮正佳・日銀理事を昇格させる方向で調整」と報じたほか、毎日新聞が「1人を岩田規久男副総裁と同様に積極的なリフレ派から選ぶ」と報じたことを踏まえ、「もし、報道が正確なら新執行部は現執行部よりもリフレ色がやや強まることになると考えられる」と指摘した。

シティグループ証「中曽氏から雨宮氏への交代なら緩和修正バイアスやや弱まる」

シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジストは13日付のリポートで「今後の焦点は副総裁人事に移るが、退任する中曽副総裁に代わって、雨宮理事が昇格することはほぼ確実」と指摘。「国際関係や市場動向に強い中曽副総裁に対し、雨宮理事は企画局中心の経歴で、黒田総裁の下での非伝統的な金融政策を考案してきたと言われる。本質的には中銀マンとして保守的な中曽副総裁よりは革新的な側面があるように思われる」としながら、「『中曽→雨宮』への副総裁交代は、現在の超緩和策を修正しようとするバイアスがやや弱まることに繋がるだろう」との見方を示した。

JPモルガン「日銀総裁人事はニュートラル、9月に10年金利目標を引き上げ」

JPモルガン証券の阪上亮太氏は13日付のレポートで「日本株にとってはニュートラル」と指摘した。副総裁人事については「現行の日銀プロパー(中曽副総裁)とリフレ学者(岩田副総裁)との組み合わせが踏襲される案(例えば雨宮日銀理事と本田スイス大使)が有力視されている。副総裁についてもサプライズ人事の可能性が低い」とした。

日銀の金融政策については「日銀は9月にも10年金利目標の引き上げに動くと予想している」との見方を示した。「追加金融緩和(現行の金融緩和策を維持するだけで)、日本のコアCPI(消費者物価指数)およびコアコアCPIは今年中に前年比+1%台へと加速する可能性が高い」との見解を理由とした。「インフレ率が上昇する中で日銀が徐々に長期金利の上昇を許容して行くのであれば、(10年金利目標の引き上げ等の政策変更後も)実質金利のマイナスは維持されることから、大幅円高や日本株調整のリスクは小さいと考えられる」という。

 

【2018年1月のQUICK月次調査<外為>より】

2018年1月のQUICK月次調査<外為>によると、次期日銀副総裁の予想は17年12月調査と同様、「雨宮正佳・日銀理事」が最多で63%。次いで「中曽宏・日銀副総裁」が36%、「伊藤隆敏・コロンビア大学教授」が26%、「若田部昌澄・早稲田大学教授」が23%となっている。

いわゆる「日銀枠」では雨宮理事の昇格が優勢、「学者枠」では伊藤隆敏・コロンビア大学教授を見込む向きが市場では多い。

最大の注目点は、安倍首相に近く、リフレ派として知られる本田悦朗・駐スイス大使が副総裁のひとりに抜擢されるかどうかだ。学者枠として本田氏が副総裁に就いた場合、日銀は現執行部よりもリフレ色が強まるとの見方が優勢だ。

(12:45更新)

※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。


ニュース

ニュースがありません。

銘柄名・銘柄コード・キーワードから探す

株式ランキング

コード/銘柄名 株価/前日比率
1
3,955
-3.72%
2
33,850
-1.94%
3
5938
LIXIL
1,718.5
-3.77%
4
42,180
+1.76%
5
9532
大ガス
3,510
+4.83%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
227
+26.11%
2
2928
RIZAP G
421
+19.94%
3
2315
CAICA D
61
+19.6%
4
7689
コパ
679
+17.27%
5
709
+16.42%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
2,420
-14.21%
2
385
-12.5%
3
135
-10.59%
4
970
-10.59%
5
7426
山大
1,490
-8.7%
コード/銘柄名 株価/前日比率
1
33,850
-1.94%
2
3,955
-3.72%
3
26,560
+0.37%
4
46,400
-2.56%
5
32,500
+0.15%
対象のクリップが削除または非公開になりました
閉じる
エラーが発生しました。お手数ですが、時間をおいて再度クリックをお願いします。
閉じる