VIXショックは去ったか 日米株乱高下 市場参加者はこう見る

7日の東京株式市場で、日経平均株価は4営業日ぶりに反発した。終値は前日比35円13銭(0.16%)高の2万1645円37銭。一時は上昇幅が700円を超え、節目の2万2000円を上回ったが、午後になると戻り待ちの売りも出て急速に伸び悩んだ。

オプション価格をもとに相場の予想変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は、米国株の下げ止まりをきっかけに低下した。だが相場の先安観は根強く、日経平均VIは下げ幅を大きく縮めた。

今回の日米株乱高下の背景としては、コンピューターを使った自動売買「アルゴリズム取引」の影響が指摘されている。2月2日発表の米雇用統計を受け、「恐怖指数」とも呼ばれるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX指数)が上昇。CTA(商品投資顧問)や、相場の予想変動率に応じて保有資産全体のリスクを調整する「リスクパリティ(均衡)」ファンドが、相場変動率が高まったと判断し、売り注文を自動売買で膨らませたというのが市場のコンセンサスになりつつある。

相場急変をもたらしたVIX指数は6日の米国市場では、最高50.30から最低22.42の間で乱高下した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、変動幅は過去最大規模だったという。今回の世界的な株安連鎖が「VIXショック」と呼ばれるゆえんだ。

では「VIXショック」は去ったのか。QUICKデリバティブズコメントは7日、市場参加者の見方を東京市場の寄り付き前から大引けにかけて取材した。

【海外からのフローは売り買いトントン】
☆「朝方は国内系が先物に買いを入れたが、海外からのフローは売り買いトントンという話を聞いた。投信は引けで買いを入れる可能性があるという観測もある。ただ、この時間帯でなぜ伸び悩んでいるかは分からない」(運用会社)

【押し目とみる投資家が多い】
☆「前日は大量の買い注文が殺到していた。主力大型株やETF(上場投資信託)などに押し目買いが入った。前日程ではないが、きょうも買い注文が続いている。後場伸び悩んだ局面でも買いのフローが見えた。2万3000円台後半で推移していたため押し目とみる投資家が多いのではないか」(セールストレーダー)

【前日は派生商品の損失響いた】
☆「前日は派生商品の損失が響いた。現物の収支は全体でプラスだったが、派生商品の損失は相殺できなかった。10年1度程度のことなので、しょうがないと捉えるしかないのだろうか。最近の下落局面ではロングのポジションはほとんど持ち越さず、ショートをオーバーナイトしていたディーラーが多かったため、損失が出たのは派生商品だけだった」(国内証券ディーラー)

【自律反発の流れに】
☆「日経平均は前日に一時1600円超下げて売られすぎただけに、自律反発の流れとなるだろう。株価収益率(PER)で14倍割れの状態は長続きせず、15倍(23460円)くらいまで戻す展開を見込みたい。前日に今期の通期業績予想を上方修正したトヨタ(7203)のように、米税制改革法案の成立を受けて減税の恩恵が日本企業にも波及していることは好感触だ。今期だけで無く、来期の1株当たり利益(EPS)上昇にもしっかり寄与してくるだろう」(証券ジャパンの大谷正之・調査情報部長)

【日本株の強気スタンス維持】
☆「当面は不安定な状況が続く可能性があるものの、マクロ環境はグローバル・国内ともに良好で、企業収益も堅調、財政・金融政策も支援的であることから、日本株に対する中期的な強気スタンスを維持する。過去の下落局面を参考にすると、バリュエーションから考えられる下値メドは、株価収益率(PER)14倍のTOPIX=1650と考える一方で、今回は経済環境が特に良好であることから、そこまで下落しない可能性も指摘しておきたい」(ゴールドマン・サックス証券の7日付レポート)

(QUICKデリバティブズコメント)

※QUICKデリバティブズコメントで配信したニュースを再編集した記事です。トレーダーやディーラー、運用者の方々へ日経平均先物・オプション、債券現物、先物を中心に旬のマーケット情報をお伝えしています。ライター独自の分析に加え、証券会社や機関投資家など運用・調査部門への独自のネットワークから情報を収集し、ご提供しています。

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