任天堂(7974)が18日に発表した「Nintendo Labo」。シンプルに楽しそうとの声が聞かれるが、株式市場での評価はどうなのか。UBS証券の武田純人アナリストは同日付のレポートで「Switchというハードが内包する思想の深さを改めて感じる製品である。そして、主力自社IPタイトルの発売が概ね一巡し、ローンチ後初めての年末商戦を終え、従来に比べ本体供給能力も充実したこのタイミングでの追加的かつ体験拡張型の新製品投入は、マーケティング的にも『上手い』という第一印象」と評価した。
「Nintendo Labo」
さらに武田氏は「Switch の需要はこれまで既存の任天堂ファン(特にコアゲーマー)を中心に形成されてきたと推察するが、本製品は既存 Switch ユーザーへの刺激だけでなく、これまで充分には取り込めていなかった若年層及びハード購入決定権を有するその保護者層(コアゲーマーではない潜在層)への新規アピールとなることは疑いない」とポジティブな印象を受けたとしている。
一方でリスクとしては「1)組み立て作業が心理的障壁となる可能性、2)拡張性の高さかつ遊び方の発明をユーザー側にも委ねることなどで、逆説的に Wow!な体験がユーザー間で揃い難くなってしまう可能性(≒其々がミニゲーム的にインスタントに消費されてしまう可能性)」があるという。
Switchの登場で株式市場が真正面から考えなくてはならない問いは「Wiiを超えることができるのか」だ。UBSでは「超えない=既存/発表済みタイトルだけでは Wii が掘り起こしたようなユーザー層の獲得は容易でない」が従前のスタンスだったという。
ただ、任天堂がLaboの投入を表明したことで「追加的に何か新しい遊び方を提案してくることは当然想定していたが、その『何か』という意味では『Nintendo Labo』は我々の想定のやや斜め上を行く未来志向。コントローラー自体は段ボールでしかないが、我々にはこの製品がファストフード化するエンタメ市場への『任天堂らしい』問いかけにも見える」(武田氏)としていた。
任天堂と日経平均の株価推移
(QUICKエクイティコメント)
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