アジア株急伸 景気指標が改善、中国の金利低下も好感

アジア市場で年初から株高が続いている。香港のハンセン指数が10年ぶりの高値を付け、中国本土や東南アジアでも主要な株価指数が軒並み高値圏にある。年末年始に発表された経済指標が総じて堅調な内容となり、好感した買いが広がった。資金流出懸念が後退し、中国では金利上昇が一服。ガバナンス改善期待につながる国有企業の改革など新興国特有の買い材料もある。米株高を追い風に投資家の買い意欲が戻ってきた。

香港のハンセン指数は2日に2%上昇して3万ポイントの大台を回復。足元で約10年2カ月ぶりの高値圏で推移している。上海総合指数も4日午前まで5日続伸し、今年に入って2%高となった。

中国メディアの財新などが4日発表した2017年12月の中国の非製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から2.0ポイント上昇の53.9となり、14年8月以来、3年4カ月ぶりの高水準となった。2日発表の財新製造業PMIも0.7ポイント上昇の51.5と、4カ月ぶりの高さだった。輸出が好調なほか、内需をみても主要都市で不動産販売が伸びている。

中国の金融市場での資金需給の引き締まりへの警戒も後退した。中国人民銀行(中央銀行)は17年12月29日に、18年の旧正月(春節)で金融機関の資金需給が逼迫した場合に備えて、預金準備金のうちの2%を大手銀行が引き出せる臨時措置を発表。昨年末に4.9%超だった上海銀行間取引金利(SHIBOR)1カ月物は今年に入って4.6%台まで急激に低下した。

香港市場では、中国の証券監督当局が香港に上場する中国の国有企業について、市場で取引されない「非流通株」を一部の銘柄で試験的に売買可能にすると発表したことも買い材料視された。「政府の持ち分の減少で企業統治(コーポレート・ガバナンス)の改善が期待されるほか、流通株に基づいた時価総額の増加でハンセン指数などに占める比重も増えて資金流入につながる」(大和キャピタル・マーケッツ香港の熊力ストラテジスト)との声が出ている。

足元では東南アジアの年初の株式相場も堅調さが目立つ。高成長や経済改革を評価する買いが続いている。2日に発表されたシンガポールの17年10~12月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比3.1%増だった。ハイテクを中心とした製造業が好調で市場予想(2.6%増)を上回る高成長となったことを好感し、シンガポールの主要指数のST指数は4日午前時点で昨年末から2%上昇している。

輸出が好調なタイでは、タイ総合指数が3日に24年ぶりに過去最高値を更新した。ベトナムのVN指数は3日まで8日続伸し、1000ポイントの大台を突破。国有企業の民営化など経済改革への期待感が高く、海外投資家の買いを誘っている。フィリピン総合指数も3日まで6日続伸し過去最高値を更新するなど、ここへ来て急速に買いが強まっている。

直近は米ドルが主要通貨に対して売られており、米国の税制改革や利上げによる新興国からの資金流出懸念も後退した。台湾ドルは4年2カ月ぶり、シンガポールドルは2年8カ月ぶりの高値を付けた。人民元も4カ月ぶりの高値圏にある。米株高が続くなか、投資家の目はひとまず世界景気の回復やアジアの制度改革といった好材料に向いている。

【日経QUICKニュース(NQN ) 柘植康文、依田翼】

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