2017年の忘年会シーズンがやってきた。居酒屋などを展開する上場企業のなかで、会社員が集まる東京・新橋や神田に店舗を構える主な企業の今年の株価を振り返った。大幅高となったのは、にんにくしょうゆダレの焼き鳥や博多水炊きを提供する「てけてけ」のU&C(3557、マザーズ)や、青森直送の馬肉料理をウリにする「馬並み家」のDDHD(3073)などだ。
グルメサイト「食べログ」でエリアを「新橋」や「神田」に絞り、店舗が載っている主な上場企業17社の株価を調べた。新橋、神田どちらにも「てけてけ」店舗があるU&Cの11日終値は7320円だった。2月に新規上場しており、11日終値は公募・売り出し価格(公開価格)の1620円から4.5倍で、上場初値の4500円からだと63%高となった。
U&Cは、かき入れ時の忘年会シーズンについて「例年並みだが、非常に好調」(リクルーティング・マーケティング部)という。新規出店の費用が先行し2018年2月期は最終減益の見通しだが、営業利益は18%増の3億円を見込む。
新橋に「馬並み家」を構えるDDHDの11日終値は4725円で、16年末から3.7倍だ。同社の広報担当者は「12月の予約状況は前年を小幅に上回っている」と話す。
新橋、神田いずれにも英国風パブ「HUB」があるハブ(3030)の11日終値は1430円で、今年5月の1株から3株への分割を考慮すると16年末の2.5倍だ。12月4日に東証1部指定となった。自社の株高について「1部指定の効果も大きいが、投資家が好業績を評価してくれているのだろう」(同社の広報IR課)と分析する。
株価の上昇は収益拡大への期待を映しており、こうした企業の店舗は勢いがある可能性が高い。忘年会の店選びの参考材料になるかもしれない。
◎新橋や神田に居酒屋などを構える株高が目立った主な企業
社名(コード) 店舗名 株価上昇率 今期の最終利益予想
U&C(3557) てけてけ 4.5倍 ▲18%
DDHD(3073) 馬並み家 3.7倍 8%
ハブ(3030) HUB 2.5倍 3%
トリドール(3397) 晩杯屋 56% 6%
鳥貴族(3193) 鳥貴族 41% 38%
(注)上昇率は11日終値と16年末との比較。U&Cは公開価格比。今期予想は、会社側が見込む18年2月期の最終利益の増加率で、▲は減益見通し。トリドールは18年3月期、鳥貴族は18年7月期。
【日経QUICKニュース(NQN ) 石川隆彦】
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