今年も年末に向けて企業の新規株式公開(IPO)が相次ぐ。来週は4社、12月は23社が上場する予定だ(11月22日時点)。注目は佐川急便の持ち株会社のSGホールディングスで、今年最大規模となる見込みだ。
11月22日時点で2017年のIPO企業数は91社と、16年の83社を上回る見通し。なかでも12月13日に東証1部に上場する予定のSGホールディングスは、市場から約1200億円を吸収する見込み。今年のIPOとしては最大規模になる。
そのほか、企業変革や働き方改革を支援するエル・ティー・エスや、インバウンド(訪日外国人)専業の総合旅行会社のHANATOUR JAPAN(はなつあーじゃぱん)など、テーマ性のある企業には個人投資家の注目が集まるかもしれない。
<17年末までのIPOカレンダー(22日時点)>
足元の新興株相場は堅調だ。過去1年に上場したIPO銘柄の値動きを基に算出する「QUICK IPOインデックス(単純平均ベース)」は23日に年初来高値を更新した。年初からの上昇率は46%と、日経平均株価の17%を大きく上回る。今年のIPO銘柄で公開価格に対する初値の上昇率が最も大きかった銘柄は、9月14日にマザーズに上場したウォンテッドリー(3991)で約5倍だった。直近21日にマザーズ市場に上場したサインポストの初値は、22日に公開価格(2200円)の3.9倍の8530円を付けた。投資家の需要は旺盛で新興企業株への資金流入が続いている。
※QUICKでは上場日を一覧表示したIPOカレンダーや、企業の事業概要、過去1年間に上場した銘柄の初値倍率ランキングなど、IPOに関する情報をまとめて提供しています。