UBSウェルス・マネジメントが22日付で発行したリポート「Japanese Equity:Japan embraces sustainable investing」が興味深い。同社はグローバル市場において日本株がESG投資の初期段階にあると認識しており、これから持続可能な成長投資の観点から投資フローをひきつける可能性を指摘している。単なる希望的観測にとどまらず、「日銀が近い将来、上場投資信託(ETF)購入政策の一部をESG型へとシフトさせる可能性がある」とまで踏み込んだ。
現行のETF買い入れが市場で問題視されている1つは、特定銘柄の実質的な保有量が増加している点だ。日経平均株価型のETFをこのまま買い続けると、採用銘柄のうち値がさで流動性の低い企業の株主としての存在感が一段と高まってしまう。ファストリ(9983)が典型例だ。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESGの株価指数をベンチマークに採用するなど半ば国策でもある。日銀が相乗りすることに違和感もない。
日経平均のボラティリティが高まっていることも無視はできない。UBS・WMは以下を選好銘柄にリストアップしており、日本株の調整局面でも「ディフェンシブ性」の高さに期待している。
ESG投資の受け皿整備は静かに進んでいる。大和投信が3本のESG型ETFを9月下旬に設定。今月27日にはアセットマネジメントOneが「One ETF ESG(1498)」を設定、28日には東証に上場する予定だ。このETFは「FTSE Blossom Japan Index」との連動を目指す。
大和投信のETFは設定後から口数に変化が見られない。本格的な資金流入が始まっている様子はうかがえないものの、同型のETFは注目を集めそうだ。
【QUICKデリバティブズコメント・岩切清司】
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