ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ
ポートフォリオマネジャー 田畑 富郎氏
日経平均株価は2万円の大台に近付いているが、17年の上値メドは2万1000円を想定しており、上値余地はまだあるとみている。グローバル株式の中で、日本株を一番強気にみており、米株や欧州株よりも投資妙味があるだろう。
米連邦準備制度(FRB)が今後も利上げをすることはコンセンサスだが、金利上昇の局面では割高な株と割安な株のギャップがグローバルで解消すると考えている。米株>欧州株>日本株の順に株価収益率(PER)が高い。先進国の中ではPERが高い米株はそろそろ上値が重くなるとみている。欧州株は欧州中央銀行(ECB)の金融緩和で景気が上振れているが、業績モメンタムは弱い。テーパリング(量的緩和による資産購入の買入れ縮小)による影響を受ける可能性もある。たが、米金利上昇は円安をもたらし、割安で出遅れ感が強い日本株の追い風となるだろう。
米金利上昇はセクターにも波及するとみており、金融・エネルギー・外需などのセクターに投資妙味があるとみている。バリューの側面が強い金融セクターは割安銘柄と割高銘柄のギャップ縮小の恩恵を受けよう。足もとで原油価格は調整気味だが、エネルギーセクターは最悪期を脱したとみている。外需セクターは米金利上昇による円安の恩恵を享受できる。
外国為替相場のドル円に関しては1㌦=108~110円程度を想定している。現行の為替水準よりも円高の予想だ。ただ、想定為替レート105~110円としている企業が多く、108円~110円でドル円が落ち着けば、上方修正の余地はあるとみている。
聞き手はデリバティブズ・コメントの西本宏喜
(QUICK NewsLine)