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12月の株主優待銘柄はマックやアサヒなど、お馴染みの飲食関連が目白押し

記事公開日 2016/12/7 14:02 最終更新日 2018/8/8 16:43 株式マーケット 株主優待 経済・ビジネス コラム・インタビュー 金融コラム

 

株主優待って?

株主優待は企業から株主へのプレゼントです。企業が自社のPRや個人株主の獲得を目的に実施している制度です。自社で商品やサービスを提供している場合はこれらを、そのほかは実利的なQUOカードやお米券といった商品券を贈呈するケースが多いようです。同制度を導入している上場企業数は過去最高の1339社と、全体の4割に迫る勢いです(11月25日時点)。プレゼントのため、優待にかかるコストは企業が負担し、一般に交際費として経理処理しています。

 

お米券

 

12月の優待銘柄を探る、3泊の韓国旅行も登場

3月に優待の権利を付与する企業が731社と最も多く、次いで9月の392社、12月の152社と続きます。12月は社数が多いため、各社の優待内容をいろいろ比較して選ぶ楽しみがありそうです。特にアサヒグループホールディングス(2502)やキリンホールディングス(2503)といった大手ビールメーカーのほか、山崎製パン(2212)、コカ・コーラウエスト(2579)、日本マクドナルドホールディングス(2702)など消費者に馴染み深い飲食関連が目立ちます。優待はいずれも自社製品のため、これらの商品や店舗をよく利用する人にはメリットがありそうです。

 

<12月の株主優待銘柄一覧表(最低購入金額の昇順)>

12月の優待銘柄一覧表

 

最近の優待制度の傾向として、長期保有の投資家には優待内容を手厚くするケースが増えています。例えばコカ・コーラウエストの場合、100株以上500株未満の保有で同社の商品に交換可能な45ポイントが付与されます。1ポイント=60円相当のため、2700円程度です。しかし3年以上保有している投資家には30ポイントが上乗せされ、75ポイント=4500円にアップします。長期保有の株主を増やして株価を安定させることが狙いといえます。

食品以外でニューフェースを挙げると、リチウムイオン電池の部材を扱うダブル・スコープ(6619)が11月上旬に株主優待制度の導入を発表しました。内容は抽選で5名(同伴者各1名の合計10名)を同社の韓国工場見学に招待するというもの。往復航空券や3泊4日の宿泊費用、移動の費用も同社が負担。1日を工場見学とし、他の日は自由行動のため、観光も十分楽しめそうです。ただ、権利を得られるのは1年以上継続して保有している株主に限られます。

 

実質利回りを活用し高利回り銘柄を発掘しよう

まずは優待制度を実体験したい人の場合、投資金額を抑えるのも一つでしょう。10万円以下で購入できる銘柄は42銘柄ほどあります(11月25日時点)。ただ、投資金額が低い銘柄の中には業績が低迷して株価が下落しているケースも散見されるため、投資金額だけで判断するのではなく業績なども踏まえて総合的に判断すべきです。

例えば、楽天(4755)の最低投資金額は11万7150円(25日時点)と10万円を若干オーバーしますが、QUICKコンセンサスによると同社の16年12月期、17年12月期の連結決算はともに2ケタの増収・営業増益の見通しと好調です。

また、「実質利回り」という指標を用いて選別する方法も有効です。この指標は優待の内容を金額換算し、これに配当利回りを加算したものです。では実際に楽天の例を用いて計算してみましょう。同社の2016年の優待内容はまだ公表されていないため、前年の実績値を用います。下表を見ると、現金に換算が可能な項目は黄色の部分で合計8300円になります。QUICKコンセンサスによると1株あたりの予想配当金は4.83円、最低投資単位の100株購入すると483円のため、実質利回りは7.5%になります。11月25日時点の東証1部の予想配当利回り(加重平均)2.01%を大きく上回ります。

 

<実質利回りの計算式>

(優待額8300円+年間予想配当額483円)/最低投資金額11万7150円×100=7.5%

 

<2015年12月に権利確定した楽天の優待内容>

楽天の優待内容

 

12月の優待を受け取るには

さて、ここからは優待銘柄を取引するうえでの技術的な注意点です。優待の権利を得るには期日があり、権利確定日に株主名簿に名前が記載されていなければなりません。記載されるには「権利付最終取引日」という、権利確定日を含む4営業日前までに希望銘柄を購入しておく必要があります。12月30日が権利確定日の場合は27日が権利付最終取引日です。加えて、先ほどの韓国の工場見学を贈呈するダブル・スコープなど、銘柄によっては1年間保有することを条件にしているタイプがあるほか、年に複数回、優待を実施する銘柄もあるため、各社のホームページなどで情報を確認してください。

優待を受けるには現物株を購入する必要があり、信用取引では得られません。ちなみに、 優待マニアの中には「つなぎ売り」という投資手法を利用し、株価の下落を抑えて優待のうまみだけを享受しようとする投資家もいます。この手法は同一銘柄の現物株の買いと信用の売り(一般信用)を寄り付き前に同株数、成り行きで発注するというものです。こうすることで同じ価格で約定させることができるため、株価が変動しても損益は発生しません。ただ、信用取引をする際は専用口座を開設する必要があるうえ、取引には手数料が発生します。

 

優待裏事情

株主優待がこれほど活発に実施されているのは、日本だけといわれています。諸外国では優待にコストをかけるならば、利益成長のための設備投資や、配当で還元した方が合理的との考えがあるためです。国内においても持ち株数や内容に応じて株主を平等に扱わなくてはならない「株主平等の原則」(会社法109条1項)の観点から優待制度に異論を唱える向きもあります。この原則を順守するならば「保有株数に比例した優待を得られるはずだが、現状は一定数に応じた対応がなされていない」との考え方があります。例えば100株超の保有で1000円分のQUOカードを贈呈する場合、保有株数が5倍の500株になればQUOカードも5000円になるはずですが、実際は500株超で3000円など一定数を基準にしている、という指摘です。こうした考えを踏まえ、上場企業の中にも優待制度より配当に重点を置いた海外方式に切り替えるケースもあります。  

 

株主優待の画像

 

また、個人投資家にとっては嬉しいプレゼントですが、機関投資家にとっては少々異なるようです。投資信託協会の「投資信託等の運用に関する規則(2015年7月)」の第10条には株主優待物の取り扱いがルール化されています。これによると、運用会社は信託銀行と協議したうえで換金可能な商品券などは換金して信託財産に組み入れているとのことです。換金不可能な商品は一時保管後に廃棄、もしくは、さわかみ投信のように慈善団体に寄付するケースもあるようです。機関投資家の場合、優待よりも配当金で還元してほしい、というのが本音でしょう。

1月に優待の権利が確定する銘柄は32銘柄と12月より大幅に減少しますが、2月は138銘柄、3月は731銘柄に増加します。3月には新規公開株式(IPO)として10月に上場したJR九州の優待もあります。株主優待制度の是非については意見が分かれるところですが、企業がこの制度に注力しているのか、それとも配当での還元や利益成長を重視しているのか、株主に対する企業の姿勢が垣間見れるため、投資材料の一つとしても活用できそうです。

 

(編集:QUICK Money World)

 

 


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