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インドネシア、成長の牽引役は「一次産品」から「観光産業」にシフト

記事公開日 2015/12/15 09:06 最終更新日 2018/1/9 17:07 経済・ビジネス コラム・インタビュー 中国・韓国・アジア アジア特Q便

※QUICKではアジア特Q便と題し、アジア各国・地域のアナリストや記者の現地の声をニュース形式で配信しています。今回はインドネシアの現地記者アディ・ビナルソ氏がレポートします。※本記事は2015年12月7日にQUICK端末で配信した記事です。

インドネシア、観光産業に熱意…ビザ免除も

世界の一次産品価格の低迷が続き、最高値の水準まで戻る可能性が低いとみられる中、インドネシアに待望の外貨収入をもたらし、経済成長を促進する産業として、いま、観光産業に関心が集まっている。
この東南アジアの国には数多くの自然の景勝地や個性的な歴史的、文化的に価値の高い遺跡がある。しかし、宣伝不足や現状に対応できない老朽化したインフラ環境、官僚主義といったことが長い間、観光産業の妨げとなってきた。インドネシアには毎年約900万人の外国人観光客が訪れているが、隣国のマレーシアやタイに大きな後れを取っている。マレーシア、タイにはそれぞれ毎年2400万人、2700万人の外国人観光客が訪れている。
 ジョコ・ウィドド大統領はこの実績に不満を示し、2019年までに旅行者数を2000万人呼び込むことを目標に、より多くの旅行者を誘致するための複数のプログラムを実行に移した。大統領の最初に動いた計画は、具体的には45カ国・地域から訪れる観光客の査証(ビザ)を免除するもので、この結果、9月の外国人旅行者数は前年同月比で10%近く増加した。
 観光省も観光キャンペーンを見直し、国内の観光地を紹介するため、地域のケーブルテレビチャンネルの番組に資金を援助し、その制作にも関わっている。これは、この1年間にマレーシアとシンガポールが考案し、インドネシアやそのほかの東南アジア各国の観光客の誘致に大きく成功した戦略を模倣したものだ。入国管理局も、観光客が短期滞在ビザの延長をより簡単に行えるようサービスを改善すると約束した。

空の旅を快適に…航空インフラ整備続く

インドネシア中央銀行のデータによると、第3四半期の観光産業による外貨収入は28億米ドルで、前年同期の23億米ドルに比べて22%増加した。これは17%減少した一次産品の輸出収入とは対照的な結果だ。また、海外で働く380万人のインドネシア人労働者からの送金は16億ドルで横ばいだった。
 同国のインフラ未整備に対処するため、運輸省は国内各地にある空港185カ所のうち100カ所の滑走路を2000メートル以上に拡張することを計画している。2019年までにボーイング737-800型狭胴機に対応することが目的だ。イグナシウス・ジョナン運輸相は「我々は空港間の接続を改善し、空の旅を人々にとって手頃なものにしようとしている。しかし、現在の滑走路のままでは実現できない」と話した。ジャカルタ郊外の国際的な玄関口であるスカルノ・ハッタ国際空港やバリ島のングラライ国際空港など26カ所の空港を運営している国営空港運営アンカサ・プラ1とアンカサ・プラ2も、より多くの旅行者に対応するため、空港の能力を拡張している。

低成長脱却の切り札なるか

民間企業も精力的に事業を拡大している。インドネシアの上場旅行大手の1つであるパノラマ・セントラウィサタ(コード@PANR/JK)は先月、ジョグジャカルタのホテル買収を完了したところだ。同社は、訪問する旅行者数を2016年に22万3000人以上に倍増させることを計画しており、ベトナム、ミャンマー、中国、日本といった新しい市場に働き掛ける広告宣伝活動を強化している。同社のブディ・ティルタウィサタ社長は「我々は観光客のビザを免除するという政府の政策を頼りにしている。ビザ免除はインドネシア観光産業の成長を確実にする良い方向への第一歩だ」と話した。
 インドネシアの大手不動産複合企業の1つ、リッポー・グループもまた、伝説の生物コモドオオトカゲの生息地である東ヌサトゥンガラ州ラブアンバンジョなどインドネシア東部に新たに旅行者を誘致する目的でホテル、ショッピングモール、病院開発に投資した最初の企業群の1つだ。

リッポーグループ株価

 バリ、東ヌサトゥンガラ、西ヌサトゥンガラ各州の経済は合わせて、2015年第3四半期に前年同期比で11.8%成長した。これらの地域の成長率は国全体の成長率である4.73%を上回った。観光業がけん引役となった各州は、同国経済にある程度の貢献をしたといえるだろう。
 バンバン・ブロドジョネゴロ財務相は「我々は観光という1つの産業により照準を合わせることで、経済成長を実現する上での障害を克服する方法を見つけたのだ」と話している。
【翻訳・編集:NNA】


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