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中短期ゾーンで金利上昇圧力じわり 利下げ期待も海外勢の需要も後退

日経QUICKニュース(NQN)=神能淳志

償還までの期間が短い国債の利回りにじわりと上昇圧力がかかっている。17日の国内債券市場で新発2年物国債の利回りは一時前日比0.020%高い(価格は安い)マイナス0.250%を付けた。焦点の5年物国債入札は「無難な結果」と受け止められたが、反応は限られた。オペ減額の姿勢を保つ日銀からの相場支援を得られないとの懸念はくすぶったままだ。

財務省が17日に実施した5年債入札(141回債、発行予定額1兆9000億円)の最低落札価格は101円87銭だった。日経QUICKニュースがまとめた市場予想の中心値(101円88銭)をやや下回った程度で波乱とはならなかったものの、小さければ好調な入札とされる平均落札価格と最低落札価格の差(テール)は3銭と、2017年以来の大きさとなった前回と同じだった。このため市場参加者の多くは「海外投資家の需要は依然として厳しいようだ」(野村証券の中島武信シニア金利ストラテジスト)と気を引き締めている。

海外マネーの円建て債の需要を占カギになるのが、ドルと円を交換する取引である「ベーシススワップ」だ。

中島氏によると、ドルと円の金利格差を示し、海外金融機関による円の調達コストをあらわす指標となるベーシスは10月1日のマイナス0.56%から前日までにマイナス0.30%に縮小。「ドル建てでみた日本国債の利回りは国庫短期証券(TB)を中心に妙味が薄れている」(中島氏)という。実際、財務省が17日に実施した1年物のTB入札で最高落札利回りはマイナス0.1876%と、7月以来3カ月ぶりにマイナス0.1%台に上昇した。

日銀の買い入れオペ(公開市場操作)による「買い支え」に対する期待も薄い。QUICKのデータでは10日時点で新発5年債(140回債)の日銀の保有比率は38%程度。5年債139回債の7割を日銀が保有しているのに対して買い入れペースは鈍い。「日銀オペで投資家が(既存の)140回債を優先して売却すると考えれば、入札された141回債を積極的に購入する理由には乏しい」(SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジスト)といえる。

日銀の利下げ期待もすっかり後退した。翌日物の金利スワップ(OIS)が織り込む日銀の利下げ確率は10月上旬に100%近くに達していたが、足元では2割を割り込む水準まで下がったようだ。貿易問題を巡る米中の部分合意をきっかけに株高・円安が進んでおり、日銀は限られた金融緩和のカードを温存するとの見方が広がりつつある。

金融機関経営への悪影響を和らげるため、市場では日銀が各年限の利回りをつないで描くイールドカーブ(利回り曲線)の傾きをきつく(スティープニング)させようとしていると考えられてきた。だが、足元の中短期債相場の反応を見る限り、日銀が緩和カードを温存するとの思惑が残るうちは中短期債の利回りは上昇を続け、緩和効果をそいでスティープニングを阻むことになりそうだ。

 


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