業績悪化エヌビディア、次の2Q見通しで光は差すか【米決算プレビュー】

パソコンなどで使われる画像処理用の半導体(GPU、グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を手がける米エヌビディアは16日、2019年2~4月期(1Q)決算を発表する。仮想通貨発掘の需要減退やデータセンター向けの落ち込みなどで、大幅な業績悪化が見込まれている。米中貿易摩擦の影響も懸念される中、先行きの回復シナリオを示すことができるか、注目される。

▼市場予想【19年2~4月期】
・売上高   :21億9840万ドル(31%減)
・EPS   :0.62ドル(69%減)

(予想はQUICK FactSet Workstation。5月13日時点。かっこ内は前年同期比の増減率)

アナリストは売上高を前年同期比31%減の約22億ドル、1株あたり利益(EPS)を69%減の0.62ドルと見込んでいる。仮想通貨の採掘需要やゲームで使われるGPUが大きく減少するほか、クラウド企業の設備投資鈍化などにより、データセンター(DC)向けも減速する見通し。4月に示された会社計画にほぼ沿った内容になりそうだ。

1Qのさえない決算は、おおむね織り込みが進んでいる。問題は5~7月期(2Q)以降の見通しをどう示すか。米調査会社レイモンド・ジェームズは6日付のリポートで「(20年12月期のDC向けの減少を見込む)米インテルの決算などをみると、2QのDC向け収益は前四半期比で減少するだろう」と指摘する。19年1月期に5割を超える増収を達成して業績をけん引した分野だけに、先々の成長鈍化が意識されれば、売り圧力が強まりかねない。

収益の柱である、ゲームや仮想通貨の発掘に使われるGPUも先行きは暗雲が垂れ込める。最大のゲーム市場であり、仮想通貨の発掘大国でもある中国に売上高の多くを頼っており、米中貿易問題による悪影響は避けられない。中国では当局によるゲーム規制への懸念がくすぶるほか、政府による仮想通貨の採掘禁止検討の動きもあり、先行きには慎重にならざるを得ない。

世界の半導体株高の追い風を受けて、株価は年初から4月にかけて40%強上昇した。一方、足元では調整色が強まっている。アナリストの間でも弱気派が少しずつ増えている。4月下旬にはパソコン向けで新しいGPUを発表したエヌビディア。バリュエーション面で見た割高さを指摘する声もある中、持ち前の製品力の強さで成長鈍化懸念を払拭できる見通しを示すことができるか、注目だ。(松下隆介)

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