アマゾン株に対してアナリストは総じて強気だ。同社をカバーする45社すべてが「買い」(19日時点)としており、目標株価の平均は2128ドルと現水準の1923ドルは割安との見方だ。強気の背景には、2019年1~3月期業績が市場予想を上回るとの期待がある。決算発表は25日(日本時間26日)に予定されている。
▼市場予想
19年1~3月期
・売上高 596億5500万ドル(17%増)
・純利益 23億3600万ドル(43%増)
・EPS 4.718ドル (44%増)
・S&P500種構成銘柄の純利益の伸び率 3%減
※QUICK FactSet Workstationの19日時点のデータを使用。()内は前年同期比。EPSは非GAAPベース。S&P500種構成銘柄の純利益の伸び率は17日時点。
▼「買い」推奨が100%
アマゾンが1月末に発表した18年10~12月期決算は、純利益が前年同期比で6割増と好調だった。高収益のクラウドサービス「AWS」部門の売り上げが増加し、収益を押し上げた。
一方、19年1~3月期の純利益は4割増に鈍化する。市場はAWSのほか、主力のネット販売、さらにアマゾンプライムなど定期収入が得られる「サブスクリプション・サービス」も伸び悩むとの見方だ。しかし、米証券会社スタイフェル・ニコラス は22日付のリポートで「市場予想は慎重。年始の休暇期間中のネット通販などが好調だったとみられ、業績は上振れする可能性がある」とみている。RBCキャピタルも市場予想は固めと指摘する。
また、中国向けネット通販から撤退することはアリババ集団に実質敗れたといえ、中国でのビジネスの難しさが露呈したが、バンクオブアメリカ・メリルリンチは22日のリポートで「想定内」とした。
アマゾンの株価は年初から28%上昇して戻り歩調。市場予想を上回る好決算となれば、昨年9月4日につけた上場来高値(2050.50ドル)を上抜けるかもしれない。しかし、市場が強気に傾いているだけに予想に届かなければ失望売りが膨らみ株価が大きく下落するリスクもある。(根岸てるみ)
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