アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示すQUICKコンセンサスDI(1月末)は、金融を含む全産業ベースでマイナス27と、前月(マイナス24)から3ポイント悪化した。5カ月連続の悪化で、2016年9月(マイナス27)以来の低水準となった。内訳は「強気」が39銘柄(全体の10%)、「変化なし」が212銘柄、「弱気」が147銘柄(全体の37%)だった。
QUICKコンセンサスDIは、アナリストが予想純利益を3カ月前時点に比べて3%以上、上方修正した銘柄を「強気」、下方修正した銘柄を「弱気」と定義し、「強気」銘柄が全体に占める比率から「弱気」銘柄の比率を差し引いて算出する。DIがマイナスなら、下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回っていることを意味している。5社以上のアナリストが予想している銘柄が対象で、主要企業の業績に対する市場全体の期待値が上向きか、下向きかが分かる。
算出対象の16業種のうち、DIがマイナスだったのは12業種。「その他金融」が前月の0(ゼロ)からマイナス25へ低下しているほか、「小売」が17ポイント、「機械」が13ポイント悪化した。一方、プラスは「医薬品」と「卸売」の2業種、変わらずは「鉄鋼」と「不動産」の2業種だった。
個別銘柄に注目すると、3カ月前の予想純利益と比較して下方修正率が大きい銘柄の4位に三菱ガス化学(4182)が挙がった。サウジアラビアでのメタノール合弁事業の出資比率引き下げで、持ち分利益は大幅に減少するとの見方が増えている。
一方、東京製鐵(5423)はアナリストの予想純利益が10月末の140億円から160億円へ引き上げられ、上方修正率が大きい銘柄の5位にランクインした。会社側は1月22日に発表した18年4~12月期決算発表で、国内の好調な鋼材需要が持続するとし、19年3月期の純利益を従来予想の120億円から145億円に上方修正した。
(QUICKナレッジ開発本部)