エヌビディア、ゲームやデータセンター向け好調で増益 【米決算プレビュー】

GPU(画像処理半導体)大手のエヌビディアが10日に2~4月期(1Q)の決算発表を予定している。QUICK FactSet Workstationによると、市場予想の調整後EPS(23社平均)は1.45ドルで、前年同期比83.9%増が見込まれている。主力のゲーム部門、データセンター部門などの好調により、四半期ベースで大幅な増収増益を続ける公算が大きそうだ。

ソフトバンクグループ(9984)は10兆円ファンドと称される「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を通じてエヌビディアに多額の出資を行っており、エヌビディアの業績はソフトバンクの株価動向にも影響を与える。

【2~4月期決算の市場予想】(前年同期比)
・売上高      :28億9120万ドル(+49.3%)
・調整後EPS         :1.45ドル(+83.9%)

~~~売上高の部門別内訳~~~
・ゲーム部門      :15億5000万ドル (+50.9%)
・映像化部門    : 2億4400万ドル(+19.0%)
・データセンター部門: 6億5300万ドル(+59.7%)
・自動車部門    : 1億4100万ドル(+0.7%)
・OEMその他   : 1億6100万ドル(+3.2%)

※QUICK FactSet Workstationより

エヌビディアはコンピューターグラフィックスの先端を行くビジュアルコンピューティング企業で、PCやモバイル機器に搭載される高性能なグラフィックスチップとプロセッサの開発・製造を手掛ける。製品用途は、PCの画像処理から、ゲーム機、専門可視化装置、データセンター、AI、仮想通貨のデータ処理、自動車等へと拡大。任天堂の家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」のメーンプロセッサーにエヌビディア製のモバイルプロセッサ「Tegra」が採用されている。ゲーム向けグラフィック処理などに使われてきたGPUはAIの技術を取り込みやすい特長があり、ディープラーニングに適しているとみたトヨタやテスラなどが相次ぎ採用。エヌビディアのGPUは世界の自動車・部品大手などに自動運転車の研究で使われており、レベル5と呼ばれる完全自動運転の技術開発の一躍を担うと期待されている。

主力のゲーム部門は「ニンテンドースイッチ」向けプロセッサー販売の伸びが続くとみられ、成長著しいデータセンター部門も主要クラウド提供会社がエヌビディアのGPUを採用しているため、クラウド市場の伸びの恩恵をそのまま享受できるとみられる。懸念されるのは自動運転を巡る動きだろう。配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズと、電気自動車大手テスラが相次いで自動運転実証実験中に死亡事故を起こしたことで、自動運転に対する見方が厳しくなった。提携先であるウーバーは死亡事故を起こした車両でエヌビディアの車載AIコンピューター「DRIVE」を使っていなかったもようだが、エヌビディアは公道での自動運転技術試験の一時中止を余儀なくされ、技術開発が停滞する可能性は否定できない。

(注)QUICK FactSet Workstationの「サプライズ履歴」から引用

<過去20四半期決算分析>
EPS実績  対市場予想
上振れ回数    18
下振れ回数       2

EPS実績/市場予想(%)
平均乖離率   +42.1
平均上振れ率    +50.2
平均下振れ率    -30.2

決算発表直後1日の値動き
上昇回数    14
下落回数     6
平均騰落率   +6.3
平均上振率     +10.4
平均下振率       -3.4

同社の決算発表は市場予想を上回って着地するケースが圧倒的に多く、過去5年(20四半期)で実に18回も上振れ。その際の平均上振れ率は50%にも達する。その一方で、2回下振れしたが、その下振れ率は30%。決算発表直後1日の値動きは14回上昇し、6回下落した。平均上昇率10.4%、下落率は3.4%だった。

傾向的に市場予想を大幅に上回る着地となり、株価もポジティブに反応することが多いのだが、市場予想を上回る決算ながらも利益確定売りなどで売られたケースが少なからずある。2月の相場急落や自動運転車を巡るネガティブニュースで下落する場面もあったが、足元ではやや戻り歩調。9日の米株式市場でエヌビディアの株価は5日続伸し、2.14%高の255.78ドルで終えた。一時は255.87ドルまで上昇して3月13日に付けた上場来高値を2カ月ぶりに更新した。今回の決算も業績上振れのポジティブな着地となれば、さらに高値を更新する可能性もありそうだ。

【エヌビディアの株価推移】

(本吉亮、片平正ニ)

※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。

関連記事

  1. AMD、仮想通貨マイニングで中国企業と競争懸念 【米決算プレビュー】

  2. エヌビディア、データセンター部門の伸びに注目 【米決算プレビュー】

  3. ソフトバンク(9984)の4~12月期、営業益24%増 米スプリントが業績改善

  4. 任天堂(7974)の4~12月期売上高、通期予想を上方修正 進捗率84%台

  5. RPA(6572)の初値1万4280円、公開価格の4倍 事務作業の自動化ツールを提供

  6. エヌビディア上昇、エクスペディア下げる 騰落率上位【米時間外】

  7. 日本株ETF(EWJ)に今年最高の資金流入、ドル安でも日本株高をサポート?

  8. ディズニー、業績より気になる「キツネの物語」 【米決算プレビュー】

人気記事ランキング

  1. 登録されている記事はございません。

アーカイブ

PAGE TOP