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テスラ、生産改善と中国で試されるCEOのハンドルさばき 【米決算プレビュー】

テスラが5月2日の大引け後、2018年1~3月期(1Q)決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによれば、調整後の1株当たり損益(EPS)の市場予想の平均値(20社、26日時点)は3.53ドルの赤字で、6四半期連続の赤字が見込まれている。電気自動車(EV)の「モデル3」の生産目標の週5000台の達成に向けてイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)から明確なコミットメントが示されるのか関心が高い。中国がEV市場の開放に踏み切ることはテスラにとって追い風で、成長期待が高まりそうだ。

【1~3月期決算の市場予想】(前年同期比)
・売上高    32億7300万ドル  (+21.4%)
・EPS(1株損益)-3.53ドル(Non-GAAP、前年同期は-1.33ドル)

テスラは4月2日に244.59ドルまで下げて約1年ぶりの安値水準を付けた。3月に多目的スポーツ車(SUV)のモデルXで死亡事故が起きたうえ、米格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが27日に格付をB2からB3に引き下げたことで財務悪化懸念が台頭。さらに4月1日にマスクCEOがツイッターで「テスラが倒産」とエイプリルフールの冗談をつぶやいたことで、投資家の失望を招いていた経緯がある。

その後、マスクCEOが自らモデル3の生産目標達成に向けて陣頭指揮をとっているとの報道や、3日に1Qの生産台数発表に併せて3月最終週にモデル3の生産台数が週2000台になったと発表したことで徐々に買い戻しが優勢となっていた。17日夕にマスク氏が従業員に送ったメールの内容として、「モデル3の生産量は5月に週3000台から4000台に増えるだろう。2018年4~6月期(2Q)末には生産能力が解放され、週6000台の生産が可能になる」との見解を示したことで株価は落ち着きを取り戻しつつある。テスラはモデル3の生産目標を2Q末で週5000台としていたため、決算発表を機に目標達成へのコミットメントが示され、株価が再加速できるかどうかの瀬戸際にある。カンファレンスコールでモデル3の生産目標について、明確なコミットメントがあるのかが鍵になりそうだ。

QUICK FactSet Workstationでモデル3のコンセンサスの傾向をみると、1Qは8990台と低下基調にある一方、2Q、2018年7~9月期(3Q)は右肩上がりにある。週5000台の目標を2Q末に達成できるのなら3Qには6万5000台の生産が可能になる計算だが、コンセンサスは5万750台でまだ懐疑的な状況と言える。市場の信頼を高め、コンセンサスが切り上がるような量産計画の発表が待たれる。

モデル3の生産台数のコンセンサストレンド

(注)QUICK FactSet Workstationより作成

テスラに慎重な見方として、モルガン・スタンレーが18日付のリポートで「テスラの次の動き、200ドルか400ドルか?」と指摘したことが関心を集めた。投資判断をイコールウエイトで据え置きながら、目標株価を379→376㌦にやや引き下げたものだったが、「週5000台の生産ペースは2018年10~12月期(4Q)終盤まで達成できない」、「テスラは資金調達を必要としないかも知れないが、多くの投資家はそれを欲することになるだろうと予想している」などと指摘。公募増資によって25億ドルを調達するのではないかなどと見込んでいた。モデル3の生産目標が達成できないうえ、生産のための資金調達懸念が残るという弱気な見方の典型例だった。

一方、強気派の野村インスティネットは13日付のリポートで、「6月末に週5000台の目標が維持されると見込んでいる。生産が抑制されている状況が克服され、消費者の健全な需要に応じることができるようになるだろう」と指摘していた。3月末に週2000台の生産が可能になったことを踏まえ、「今後も生産改善に取り組めば2Qは平均で週2000台の生産が可能だろう」と指摘。また、中国がEVに関する外資規制の緩和を発表したことについて「テスラは2017年に中国で20億ドルを超える売上高を記録し、25%の関税がありながら米国に次いで大きな市場となっている」としながら、「2030年までに中国でのEVのシェアの30%を占めるようになるだろう」とし、成長が見込める中国市場での飛躍に期待を示していた。

中国を攻略するにはテスラのブランド、自動運転といった性能面もさることながら、やはり量産体制を整えられるのかどうかがポイントになる。中国が対米貿易摩擦を解消しようとEV市場の開放に向かうのは結果として貿易紛争がテスラの追い風になっており、チャンスを活かせるかマスク氏の手腕が試されそうだ。(片平正ニ)

※QUICKエクイティコメントで配信したニュースを再編集した記事です。QUICKエクイティコメントは、国内株を中心に相場動向をリアルタイムでLIVE解説するQUICKのオプションサービスです。米国株については決算結果の速報ニュースのほか、FANGプラスの銘柄を中心に決算発表前に注目ポイントをまとめた「米決算プレビュー」を配信しています。投資に役立つ独自コンテンツをまとめたQUICK端末の「ナレッジ特設サイト」では、米決算プレビューに加えて決算発表の日程も公表しています。


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