QUICKが9日まとめた月次調査<株式>によると、国内の証券会社や機関投資家の株式運用担当者の大半が株式投資に明るい見通しを持っている。回答者の54%が2018年度は国内株に強気だとの見方を示した。米中の貿易摩擦の不透明感から足元の相場は不安定だが、世界経済の拡大と企業業績の伸びが下支え役になるとの見方が多い。
調査期間は4月3日~5日で、株式担当者158人が回答した。国内株への強気スタンスは前年4月調査の17年度見通しと比べ3ポイント拡大した。弱気姿勢は13%にとどまった。米国株は45%が強気と答え、弱気の14%を大きく上回った。トランプ米政権の保護貿易シフトへの警戒から相場調整が進んだが、「これから先はむしろ現実的な解決策が出てきた場合の株式市場へのポジティブな影響をみておくべきだ」との指摘があった。
一方、債券に対しては慎重な見方が多かった。国内債は70%が中立姿勢で、弱気が22%。強気は9%しかなかった。米国債は米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続が見込まれており、56%と半数以上が弱気になっている。強気は8%どまりだった。世界的に景気回復基調が続き、物価と長期金利の上昇ペースが比較的緩やかなものになれば「債券を上回る株式のパフォーマンスが期待される」(投信投資顧問)という。いわゆる「適温相場」が続くと期待されている。
3月の月次調査<債券>で債券担当者に同じ質問をしたところ、国内株に対する強気な見方は38%と弱気の20%を上回り、その差は18ポイント。41ポイント差で強気が勝る株式担当者の回答からは楽観的な見通しが浮かぶ。国内の材料として注目の安倍晋三政権の行方は外交をてこに支持率が上向けば「自民党内の安倍降ろしムードが一段落し、株価は年内最高値を奪還する動きになる」(銀行)との予想もあった。
※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。