5日の東京株式市場で、アパレル株が上昇した。カジュアル衣料の「ユニクロ」を展開するファストリ(9983)は一時、前週末に比べ980円(2.4%)高の4万1960円まで買われた。春物衣料などの好調で2月の売上高が前年同月比で増えたことを好感。相場全体が下げるなか、逆行高を演じた。
ファストリが2日発表した国内「ユニクロ」の2月の既存店売上高は前年同月比5.1%増と、2カ月ぶりに前年同月比プラスとなった。客数は前年同月比0.2%増と微増だったが、客単価が4.8%伸びた。
良品計画(7453)の株価は続伸。2日発表の2月の既存店売上高が前年同月比6.5%増となり、12カ月連続でプラスとなった。2月の既存店売上高が4.7%増えたユナイテッドアローズ(7606)の株価は4%高になる場面があった。
※QUICK端末のナレッジサイト「月次業況」より。企業が開示している各種月次データを一覧できる。「業態別」タブでは、同業の複数の企業の月次業況をチャート上に表示することも可能だ。
2月の増収は春物衣料がよく売れたためだ。ユニクロは2月前半に気温が低く推移したことで冬物商品が好調。さらに中旬以降は春物商品も順調に立ち上がり始めたという。UBSは2月の小売りセクターの月次売り上げについて、総じて気温が低く推移したものの、春物販売が順調な立ち上がりをみせて市場期待をポジティブに裏切ったと評価。春節の月ずれによる押上げもあって、インバウンド需要も増加したとみている。
良品計画の衣服・雑貨はシャツやボトムスなど薄手の新規商品の動きが鈍かったものの、計画的に在庫を持つ「首のチクチクをおさえた洗えるタートルネックセーター」や、春物を含めたアウターの売り上げが好調。生活雑貨では、化粧水、タオル、スリッパ、毛布、ケットなど季節ファブリックのセール販売が伸びた。食品ではバレンタイン関連商品に加え、販売を強化したコーヒーと穀物茶シリーズの売上が伸びたことが寄与した。
ユナイテッドアローズの場合も春物衣料が動き始めたという。男性物では長袖カットやパンツ、女性物ではスプリングコートやワンピースなどが順調に推移したという。服飾雑貨では前月から引き続きリモワのスーツケースが伸びたとしている。